個人情報保護違反に課徴金 来年法改正視野、経済界は慎重 政府検討
政府の個人情報保護委員会は18日、個人情報保護法見直しに関する有識者検討会を開き、同法違反行為に課徴金を課せるようにする改革案を提示した。 企業活動の萎縮につながるとの経済界の懸念に配慮し、対象を悪質な事案に限定するとした。 個人情報保護法は3年ごとに見直すことになっており、政府は来年1月召集の通常国会への同法改正案提出も視野に検討を急ぐ。ただ、経済界は慎重姿勢を崩しておらず、先行きは不透明だ。 改革案は課徴金納付命令の対象を(1)違法な第三者提供(2)漏えいなど安全管理措置義務違反―に分類。対象を絞り込むため、命令の発動に▽事業者が相当の注意を怠った▽個人の権利利益が侵害された▽被害者が1000人以上など被害が大規模―などの要件を課すとした。 課徴金額は違法に得た対価全額や違反期間中の売上高の一定割合を想定。違反を自主的に報告した場合の減額や、違反行為を繰り返した場合の加算も検討すると明記している。 検討会では消費者団体などが課徴金や団体訴訟制度の早期導入を求めたのに対し、経団連は「立法事実が示されておらず、結論を出すのは時期尚早」と慎重論を展開した。検討会が年内に取りまとめる報告書には両論が併記される見通しだ。