日本代表 アウェーでの5得点は日本の質が高くなったということ シュートでいえば確実に決めている 福西崇史氏の分析
「W杯アジア最終予選、日本代表5-0バーレーン代表」(10日、リファー) C組第2戦で、日本代表はバーレーンに5-0で快勝し、2連勝とした。前半、上田綺世(フェイエノールト)のPKで先制。後半、上田が追加点を挙げ、守田英正(スポルティング)が2得点。小川航基(NEC)もゴールした。7-0で大勝した中国戦に続き、大勝した一戦を2002年日韓、06年ドイツW杯日本代表の福西崇史氏が分析した。 【写真】猛暑の敵地で5得点快勝 守田に三笘ら笑顔弾ける日本代表メンバー ◇ ◇ 言うことがない。本当に強かった。前半は、前からプレッシャーにきつつも、コンパクトに戦っていた相手の守備のうまさに苦労した。ただ、徐々に体力を奪って、主導権を握っていった。 大きかったのは2点目だ。左サイドで相手を寄せておいて、右サイドの展開で取った。サイドの揺さぶりによって、斜めのパスが生きた。上田は少しコントロールをミスした部分はあるが、体勢を整えてでもシュートにもっていった。少しずれてもゴールの位置は感覚でつかんでいたはずで、シュートにいくのはストライカーらしい。 相手からすれば前半0-0がプランだったと思うし、1点目をPKで取られ、後半がんばろう、となったときに、いきなり取られるのはきつい。 上田は点を決めたのもそうだが、守田が入れたときのくさびの場面とか、ラインを下げさせる裏への動きがしっかりできていた。相手にとって嫌なプレーをしていた。 PKでのレーザーポインターによる妨害は、気になったのかどうか。気になったのだったら、動じず、プレッシャーの中でよく決めた。ただ、ポインターのことより、大事な試合で1点目を取らなくてはいけないという、プレッシャーの大きさがあったと思う。やはり1点を取ると楽になるし、どんどん貪欲にもなる。そういう思いがよく出たPKだった。 守田も良かった。得点もそうだが、相手は4バックだったり6バックになったり、前からプレッシャーをかけたり、揺さぶりをかけてきた中で、自分の立ち位置は横に動いたり、下がったり、逆に前にいったりということで相手を動かしていた。 上田もそうだったが、ラインを下げようとしていたし、下がることによって中盤に余裕が生まれる。守田が持てる時間、鎌田が持てる時間が出た。守備も中国戦と同様に安定していて、プレッシャーをかけながら、自分たちの取れるところでボールを取りにいけた。 アウェーでの5得点は、日本の質が高くなったということ。シュートでいえば確実に決めている。決定率が高いのは、相手を崩し切れているからだ。前半、バーレーンを走らせたことによって、後半相手が落ちた。 2戦で12得点0失点は、強いと言っていい。対策をされた中で、これだけ点を取った。前半苦しんだことを踏まえ、後半をどう戦うかということをうまく遂行した。内容も結果も伴った好スタート。バーレーンに苦しむのではないかという予想もあった中、ここまで結果を出すのは強いと言える。 今後へ向け、1、2戦目のメンバーがベースにはなるだろうが、伊東をどう使うか。そして久保、鎌田、南野もどう使うか。冨安が帰ってきたら3バックをどうするのか。調子が上がってきた選手を使うのかとか、起用をどうしていくのかという楽しみがある。