いじめられた経験糧に米の相談アプリを日本展開「いじめの悩み減らしたい」
今いじめに悩む子に伝えたい思いとは
自身の経験を糧に、いじめ対策を進める谷山さんに、今いじめに悩んでいる子供たちへのメッセージをいただいた。 「いじめられている子は誰が味方かもわからず誰にも話せないでいる子が多いのではないか。自分も最後まで周りの人にSOSを出すことはできなかったので、その難しさはわかる。それでも、振り返ってみれば、周りには必ず1人は味方がいるものです。だからとにかく声を上げてほしいと思います。また、周りの子も、気がついているなら、絶対に誰かに言ってほしい。あの時何もしなかった、行動を起こせなかった、と後悔している人が、世の中にはたくさんいるんです」 谷山さんは、いじめについて、なかなか相談しにくい現状を変えていきたいと語る。 「電話相談やメール相談もありますけど、電話って子供にとってはハードルが高いですし、メールはやったことがない、という子供も多い。そういう中でSTOPitが少しでも役立ってほしい。これからLINEでも相談窓口を開設する自治体もあるそうですが、LINEでもSTOPitでもどちらでもかまわないと思います。相談へのハードルが下がることが一番だと思います。 また、脱いじめ傍観者プログラムもどんどん広げていきたい。きれいごとかもしれないが、一番大切なのはいじめが起こらないクラスをつくること。このプログラムはいじめが起きやすい雰囲気について考える内容なので、このプログラムもSTOPitと合わせて広めていくことで、いじめ自体が減少するはずです」。 【たにやま・だいざぶろう】1982年生まれ、富山県出身。千葉大学教育学部卒、千葉大学大学院教育学研究科修了。株式会社リクルート住まいカンパニーを経て、NPO法人企業教育研究会経営企画部長、株式会社ストップイットジャパン代表取締役。千葉大学教育学部附属教員養成開発センター 特別研究員。 (取材・文/高山千香)