家の前の街路樹が邪魔で仕方ありません。枝を切る程度なら問題ないでしょうか。罰金は発生しますか?
街路樹は、道路の景観や環境を美しく保つために重要です。しかし、街路樹の枝が家の窓や屋根に触れたり日光や風通しを遮ったりすると生活に不便を感じることもあるでしょう。 こういった場合は、街路樹の枝を勝手に切っても問題ないのでしょうか。また、枝を切ると罰金が発生する可能性はあるかも気になるところです。 そこで、この記事では街路樹の管理に関する法律や罰則、街路樹を切りたい場合の対処法について解説します。
街路樹の法的な位置づけ
道路法第二条では、街路樹を道路の付属物として位置づけています。道路の付属物とは、道路の利用や管理に必要なものです。街路樹(並木)のほかに、道路標識や信号機なども含まれます。 道路の付属物は、道路管理者となる国や市町村が所有・管理するものであり、許可なく撤去したり損傷したりすることはできません。
許可なく街路樹の枝を切るとどうなる?
道路管理者以外の者は、道路の付属物を損傷・移転したり、道路の維持に支障をきたす行為をしたりすることはできません。許可なく街路樹の枝を切ると、道路法第四十三条により、道路の構造や交通に支障を及ぼす恐れのある行為とみなされる可能性があります。 例として、滝川市は「街路樹を故意に損壊させた場合、器物損壊罪(刑法第261条:三年以下の懲役または30万円以下の罰金)及び道路付属物損壊(道路法第101条:三年以下の懲役または100万円以下の罰金)に問われることがあります。」と公式サイトに明記しています。 また、街路樹の枝を切ることによって街路樹の価値が減少したり街路樹が枯れたりした場合、損害賠償請求を請求される可能性もゼロとはいえません。街路樹の枝切りや管理には、専門的な技術や知識が必要になり、道路管理者は街路樹の管理に関する基準やマニュアルに基づいて点検や枝切りを行っています。 また、街路樹の枝切りには高所作業車やチェーンソーなどの特殊な機器や、安全対策などの準備が不可欠です。一般の人が勝手に街路樹の枝を切ることは、法律や条例に違反するだけでなく、自分自身や他人に危害を及ぼす恐れがある行為となるため、注意しましょう。