三日月大造・滋賀県知事に聞く「人口減少は不可避」(全文1)
──実は「人口減少を食い止め」に星印はついている、けれども。 実は、この、自然と人、人と人とのつながり、生活のゆとりを取り戻すっていうところこそ、実は長い目で見ると、もう一回滋賀を選び、滋賀で暮らしたい、滋賀で子供を育てたい、滋賀で自分の一生を終えたいと思う人たちが増えていく、僕はきっかけになると思っています。 ただ、この総合戦略自体は5年間でいろんな結果を出していかなくてはいけませんし、さっき申し上げたように、市や町によっては、もう人口減少局面に入っていて、何とかそれを食い止めて安定させようっていう強い思いを持っている市や町も多いので、5年間で重点的にやるプログラム、プロジェクトとしては、この人口減少を食い止めるところに重きを置いています。ただ、長い目で見ると、こういう生活のゆとり、人と人とのつながりを取り戻すプロジェクトこそ、僕は、効いてくる取り組みじゃないかなと思っているんです。 ──今とりあえず5年間でできることとしては、人口減少の食い止めに力を入れていきたいというか。この5年がすごい重要な局面と見ている。 そうですね。5年間はできることを一生懸命やろうということで、例えばさっき申し上げた大学との結びつきをさらに強めて、国のCOC+という、地域の中で学生を育てる、学生に学んでもらうっていう取り組みをして、県内就職に結びつける。そこに数値目標を置いて、学生の定着に努めるという取り組みをやっていますし。 あとは、結婚、出産、子育てっていう若い人たちの希望実現を応援する、そういうプログラムを、プロジェクトを作って。例えばライフプランのセミナーであるとか、出会いの場作りであるとかっていうのに取り組んでみたり。あと、県内の市町も乳幼児医療費とか第三子以降の保育料とか、結構、市や町によってバラバラだったので、県として統一しましょうということで、小学校に入るまでの子供たちの医療費は、所得制限なく自己負担なく、全て無料にしました。そこに県のお金を入れました。それ以上考える、取り組む市町は、例えば小学校を卒業するまでとかっていう形で、市町でやるようにしましたし。 今回、国でも第三子、三人目以降の保育料は無料にしようということで。これは所得制限がついているんですけれども、その国の所得制限を上回る形で、県で、今、第三子以降は保育料を無料にするということを始めています。そのことがどれだけそういった結婚や出産、一人目の人が二人目、二人目の人が三人目っていうことにつながるのかっていうことを、今検証しているところです。