【レビュー】手持ちの自転車に簡単に電動アシスト機能を付加できる「CLIP」
今後が楽しみな製品
CLIPには出力450Wのモーターが内蔵されており、最高15mph(約24km/h)の速度までスムーズに加速するとメーカーは主張している。これには私も同意するが、坂道を登っている時にリモコンのボタンを押すと、数秒後に一瞬速度が落ちるように感じられた。正直言って、これにはイライラした。また、このボタンはずっと作動させたければ押し続ける必要があり、これは不便で率直に言うと少々疲れる(CLIPへ:次の改良時にはクルーズコントロールを搭載してください)。 この装置は強力なトルクのお陰で、即座にブーストを発動させて上り坂や風に向かって走る時に助けてくれる。CLIPの感触を最適に表現するなら、私が所有するeバイクでペダルアシストを最低レベルに設定した状態並み、ということになる。そのパワーは確かに感じることができたし、それによって私がペダルを漕がなくても自転車を加速させていくことが度々あった。すべてが調子よく機能した。過去数年間、私がeバイクではなく人力の自転車に乗ってきたならば、CLIPにはもっと感動しただろうと思う。スピードとパワーでは私のeバイクには遠く及ばないが、いずれにせよ、そんな期待はしていなかったし、それは実際にCLIPにとってまったく重要なことではない。ただ、必要な時に乗り手を補助してくれる。それがCLIPというデバイスの目的である。 前述したように、これはまだ開発初期段階の製品のように感じられる。時が経つにつれて、よりパワフルに、より軽量に、より洗練されていくだろう。とてもよく考えられた製品であり、配線類を一切不要にした設計方針は特にすばらしい。 思い返せば2018年、私は「Electron Wheel(エレクトロン・ホイール)」呼ばれる製品を初めて試した。これは基本的に、自転車の前輪と交換することで簡単にスマート電動アシスト自転車化できるデバイスだ。CLIPよりパワフルで、一度の充電で使用可能な距離も約80kmとCLIPを大幅に凌ぐ。CLIPはこれと同じ種類の製品ではないが、人力の自転車に電動ペダルアシストを付加するという目的は似ている。現在もElectron Wheelが入手可能かどうかはわからないが、CLIPが市場で注目を浴びることは間違いないだろう。この製品が今後、どのように発展していくかを見るのが楽しみだ。しかし、私はこのコンセプトでローラースケートに取り付けられる装置を開発してほしいと本気で思う。きっとすばらしいものになるに違いない。
Scott Kramer