開幕直前U-20W杯で10年ぶり出場の日本代表は勝てるのか?
初戦がすべて――。 5月20日から韓国で開催されるU-20ワールドカップに出場する、若き日本代表のことだ。 2年に一度行われる、このサッカーの20歳以下の国際大会に、U-20日本代表が出場するのは、実に5大会ぶりのことになる。最後の出場となったのは2007年のカナダ大会。当時のメンバーは、今や日本代表でもベテランの域に入る槙野智章、森重真人、柏木陽介、内田篤人だったから、隔世の感がある。 かつてジュビロ磐田を率いた内山篤監督が指揮を執る現U-20日本代表は、昨年10月にバーレーンで行われたU-19アジア選手権で10年ぶりに世界への扉をこじ開けただけでなく、準決勝でベトナムを3-0と退け、決勝ではサウジアラビアを0-0からPK戦の末に下してアジアの頂点に輝いた。 日本がU-19アジア選手権で優勝したのは、初めてのこと。つまり、99年のワールドユース(現U-20ワールドカップ)で準優勝に輝いた小野伸二、高原直泰、本山雅志、稲本潤一ら“黄金世代”も果たせなかった快挙を成し遂げたのだ。 チームの主軸を担うのは、このチームのエースであり、先日のルヴァンカップでハットトリックを決めたFW小川航基(ジュビロ磐田)、ディフェンスリーダーで、プロ2年目の昨季からJ1クラブで堂々とレギュラーを張るDF中山雄太(柏レイソル)、左利きのファンタジスタで、U-19アジア選手権でMVPに輝いたMF堂安律(ガンバ大阪)、同じく左利きのアタッカーで、繊細なボールタッチと的確なコース取りのドリブルで攻撃をリードするMF三好康児(川崎フロンターレ)といった選手たち。 そこに、予選終了後、FCバルセロナの下部組織でプレーした経験のあるFW久保建英(FC東京U-18)が15歳ながら飛び級で加わったのだから、どこまで勝ち上がれるのか、期待は自ずと高まるというものだ。 もっとも、日本が組み込まれたグループDは、一筋縄ではいかない強豪揃いだ。 初戦の相手である南アフリカ(21日17時)はアフリカ予選4位とはいえ、予選で強豪のカメルーンを撃破。準決勝では延長の末に敗れたものの、優勝したザンビアと互角の勝負を演じるなど、侮れない相手。警戒すべきは、予選におけるチーム内得点王で、右ウイングのルーザー・シング(ブラガ/ポルトガル)と、同じくポルトガルでプレーする長身ストライカーのリアム・ジョーダン(スポルティング/ポルトガル)。カウンターに転じた瞬間、矢のように相手DFの裏へと走り抜けるスピーディかつ迫力のある攻撃が持ち味だ。