ジープの代名詞「ラングラー」新型発売。予想外のプライスダウンはZ世代へのアピールとシェア拡大が狙い
■都会的なスタイルとなった先代モデル 2018年には、4代目となる先代モデルのJL型が登場。11年ぶりとなるフルモデルチェンジを受けたこのモデルは、ウィリスMBから脈々と続くフロントグリルのデザイン、独自の7スロットグリルを継承。長年続く伝統を守りつつも、より洗練された外観スタイルに変更したほか、インテリアのクオリティなども向上。ラングラー史上最強といわれるオフロード走破性を持ちつつも、都会にもマッチするスタイリッシュさも両立した。前述のとおり、近年の日本でも、アウトドアなどの郊外だけでなく、街中でも見かける頻度が増えるなどで、徐々に存在感を増している輸入SUVの1台となっている。
ちなみに昭和の日本では、オープンタイプの4輪駆動車のことを、すべて「ジープ」と呼んだ時代もあった。幼いときに耳にしたのか、1960年代生まれの筆者も、うっすらと記憶がある。その背景には、1952年に当時の新三菱重工業(現在の三菱重工業)がアメリカ・ウィリス社と契約し、ジープのノックダウン生産を開始。ラングラーの元祖といえるCJ3B型をベースとした国産ジープ(CJ3B-J3型)が、国内を走っていたことも大きい。ラングラーのワイルドなスタイルが、昔を知る日本人にとって、どこか懐かしさなどを感じることも、このモデルが根強い支持を受けている証しではないだろうか。
そんなラングラーの新型は、先代と同じパワートレインや車体を採用し、3BA-JL20Lという型式も同様。つまり、外観デザインなど、細部を改良したマイナーチェンジモデルという位置付けだ。 6年ぶりに変更を受けた新型モデルでは、ラインナップに、従来も設定のあったスタンダード仕様のアンリミテッド サハラと、オフロードでの走破性を高めた上級グレードのアンリミテッド ルビコンを継続設定。加えて、エントリーグレードのアンリミテッド スポーツを追加し、全3タイプを用意する。