暗号資産を証券として、機関投資家向けカストディ開始のプロメテウム──業界のペイパル目指す
デジタル資産業界のペイパル
「私たちはデジタル資産業界のペイパル(PayPal)になろうとしている」と、自身の兄とCEOの職を分担するアーロン・カプラン(Aaron Kaplan)氏は、カプラン兄弟に対して行われたインタビューで語った。同氏は、オンチェーンで発行される証券商品の「ライフサイクル全体」に対応したインフラとなるエコシステムは現時点では存在しないと述べた。これは、資産のトークン化への関心が高まる中で特に重要だ。 プロメテウム・キャピタルがイーサリアムベースのレイヤー2ブロックチェーンであるオプティミズムと、ブロックチェーンのデータをインデックス化およびクエリするための分散型プロトコルであるザ・グラフのトークンを追加することは、今回の業務開始についてと同時に発表された。 「これはほんの始まりに過ぎない」とベンジャミン・カプラン氏は、5つの適格トークンのローンチについて語り、「かなり充実した自動の販売機となるだろう」と続けた。 同社はまだ、トレーディングおよび決済サービスの開始予定については公表していない。
規制当局との関係
同社が規制当局と、その方法が実行可能かどうかについて明確な話し合いをしたことがあるかとの質問に対し、カプラン氏は、プロメテウムが通常の業務の一環としてSECと連絡を取っていると述べる以外、やり取りの詳細は明らかにしなかった。 プロメテウムのカストディ業務についてSECの見解を問うコメントの求めに対し、SECの広報担当者は回答を差し控えた。 同社の存続は、業界にとって極めて重要な試練の1つであり、連邦裁判所での数々の争いの結果も含まれるものだ。プロメテウムの場合、SECが同社のビジネスモデルを承認すれば、SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長が主張するように、現行法の下で暗号資産プラットフォームを運営できることを証明できる可能性がある。しかし、SECがこれを阻止すれば、デジタル資産企業はSECを満足させるために法律を遵守するだけでよいという同局の長年の主張に反することになる。 米商品先物取引委員会(CFTC)のロスティン・ベナム(Rostin Behnam)委員長は、今年の議会証言において、SECがプロメテウムのイーサリアムを証券として扱うことを認める動きは、CFTCの規制下にある企業が長年主張してきた、イーサリアムはコモディティであるという立場に疑問を投げかけることになると述べた。 「我々は規制当局同士の戦いをするためにここにいるのではない」とベンジャミン・カプラン氏は述べ、「我々は連邦証券法に基づいて歩を進めていく。それが顧客を保護するための最善の枠組みだと考えているからだ」と語った。 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Suzanne Cordiero/Shutterstock/CoinDesk|原文:Doors Open at Prometheum as Much-Disputed Firm Tests Crypto Tokens as Securities
CoinDesk Japan 編集部