チャールズ英国王、徳川家康からジェームズ1世への書簡も引用して友好語る…あいさつの日本語訳全文
このことで思い出すのは、1970年に初めて日本を訪れ、大阪で日本初の万国博覧会を見学した時のことです。当時21歳だった私は、そこで目にした技術革新の数々から、東西文明それぞれの伝統を融合し、すべての人々のために科学技術を進歩させていくことの力について強い印象を受けました。
その後4度、私は日本を訪問し、長年日本の国民の皆さんや企業の皆さんと関わり、両国の経済やビジネスの間に築かれた見事なつながりが、このような同じ理念の上に築かれてきたのだと確信するに至りました。過去50年間、日本より英国経済へ多大な投資をしていただきました。そして、わが英国が日本企業の力強い成長の場となってきたことを誇りに思います。同時にまた、多くの英国企業が日本に進出するようになりました。
日英両国の優秀な科学者たちもまた、共同で研究や技術に取り組み、喫緊の地球規模の諸課題に対処しています。私たちが直面している気候変動や自然環境の危機の深刻さと緊急性は、いくら強調してもしすぎることはありません。今日の私たちの世代は、力強さと決意と創造力をもってこれらの大きな課題に立ち向かうことを、将来世代への責務として負っています。両国の文化には、伝統的に自然を深く尊ぶ文化があり、民間部門においては重要な役割を担っています。日英両国の企業が、現実的かつ資金調達可能なイニシアチブの創出を牽引(けんいん)し、また、地球環境の理解と保護に取り組んでいる両国の研究者たちが、名誉あるブループラネット賞や日本国際賞を数多く受賞していることは、大変喜ばしいことです。
さらに日英両国は共通の安全保障のために、かつてないほど緊密に協力しています。世界の平和と安全保障における永続的なコミットメントを表明した二つの大国として、両国は、ハイレベルな軍事演習を行い、専門的知識を共有しています。エネルギー、自然環境から、サプライチェーン、半導体に至るまで、そして、サイバーセキュリティーや持続可能な食糧供給から、防衛と産業界の協働に至るまで、日英両国政府は安定した世界を将来世代に残していくために協力しています。