チャールズ英国王、徳川家康からジェームズ1世への書簡も引用して友好語る…あいさつの日本語訳全文
チャールズ国王が25日夜(日本時間26日午前)、バッキンガム宮殿での晩餐(ばんさん)会で述べたあいさつの日本語訳は次の通り。 【写真】晩餐会で、英国のチャールズ国王と乾杯される天皇陛下
チャールズ国王
天皇、皇后両陛下 今宵(こよい)、両陛下をバッキンガム宮殿にお迎えできることを、私と妻は大変嬉(うれ)しく思っております。英国に「お帰りなさい」。
両陛下、私たちの間には、深い絆で結ばれたパートナーシップがあります。400年以上にわたり、日英両国は互いに刺激を与え合い、互いの経験から学び、いろいろな要素を取り入れたり共有したりしながら、産業や、食や、文化を豊かにしてきました。私たちの趣味ですら共通のルーツがあります。19世紀後半、ウォルター・ウェストンを始めとする英国人の登山家たちが、日本で目にした風景に魅了され、日本においてレクリエーション登山を広めるきっかけを作りました。山登りを愛する気持ちは今や多くの日本と英国の国民の皆さんが共有しており、とりわけ個人レベルで言えば、陛下と私自身に当てはまりますね!
日英両国のパートナーシップの核心にあるのは、深い友情です。それは、歴史の教訓、とりわけ暗い時代の教訓から生まれた、国際ルールと制度の重要性に対する相互理解に基づくものです。今日、私たちはこれらの原則がかつてないほど問われる世界に直面しています。私たちが共有している自由、民主主義、法の支配という普遍的価値観が今ほど重要になったことはありません。
日英両国のパートナーシップは、また、絶えず成長し、花開き、新たな芽や枝を伸ばし続けていくものでもあります。私たちは諸外国とは異なる絆を共有しています。どちらも島国である日英両国は、協力と技術革新の力によって、社会のための新たな解決策の創造や適応する能力を進歩の拠(よ)りどころとしてきました。実際、日英両国の国民は、伝統と革新がどのように結び合いながら強化され、我々の目指す未来について理解を共有していると思います。