再現度高すぎ!『映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」』に登場する人の願いを叶える駄菓子たちを一挙紹介
廣嶋玲子作&jyajya絵(偕成社刊)による大ヒット児童小説シリーズを実写映画化した『映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」』(12月13日公開)。幸運な人だけがたどり着くことができる駄菓子屋「銭天堂」を舞台に、そこで売られる”ふしぎ駄菓子”とそれを購入した人々の顛末を描きだす。 【写真を見る】これがあればテストはばっちり!?「ヤマ缶詰」のパッケージも忠実に再現 かねてより同シリーズの映画化を熱望していた中田秀夫監督が主演に天海祐希を迎え、実写映画化する本作。デビュー後映画初出演となるなにわ男子の大橋和也と、俳優としての活躍が目覚ましい伊原六花が映画オリジナルキャラクターを演じるほか、上白石萌音が自身初の“悪役”を怪演。 15年ぶりに故郷の町へと戻ってきた小学校の新米教師、等々力小太郎(大橋)。赴任先となった母校で、小太郎は生徒たちから願いを叶える駄菓子を売る駄菓子屋「銭天堂」の噂を聞く。最初は都市伝説だと真剣に取り合わずにいた小太郎だったが、銭天堂の駄菓子を買ったらしい周囲の人々の様子が少しずつおかしくなっていくのを目にする。小太郎は銭天堂とその店主である紅子(天海)に不信感を抱くが、やがて「たたりめ堂」という別の駄菓子屋の存在にたどり着く。 望みを叶えてくれる代わりに、使い方次第で不幸になってしまうこともあるふしぎな駄菓子がたくさん登場する本作。本コラムでは、様々な力を持つ駄菓子の数々を紹介していく。 ■ヤマ缶詰 勉強は嫌いだがテストでいい点を取りたいと願う、小太郎の生徒、水野雄太(番家天嵩)が購入した「ヤマ缶詰」。食べるとヤマ勘能力が冴えわたり、テストに出る問題が光って見えるようになる。しかし、テストで出題される部分がわかるだけで、勉強はしなければならない。 ■インココイン 金紙に包まれたコイン形のチョコレート「インココイン」は、食べるとモノマネ上手になれる。しかし、インコの天敵ヘビの声マネをすると変な声しか出せなくなってしまう、という一面も。モノマネタレントを夢見る、小太郎の生徒、大野藍花(白山乃愛)はこのチョコレートによってクラスの人気者に。 ■もてもてもち 食べるとたちまちみんなからもてもてになる「もてもてもち」。ハート型のピンクのおもちのなかに、木いちごジャムとクリームが入っている。"もてる"条件となる品格や優しさを持たずに人に冷たくすると、本当に好きになった相手にはフラれてしまう…。 ■型ぬき人魚グミ 食べると泳ぎが得意になる「型ぬき人魚グミ」。グミの粉を水に溶いて型に流し込むことで作ることができる。泳げるようになる代わりに、スプーン1杯の塩水を飲み忘れると体が次第に人魚と化していく。 小太郎が働く小学校の生徒たちを中心に話題を集める「銭天堂」だが、店に誘われる幸運な人は小学生に限らない。 ■バイリンガール かわいらしい人形「バイリンガール」は、身につけると違う国の人と話すことができるようになるというもの。本作では、英語が苦手だった少女がこの「バイリンガール」の力によって流暢な英語を話す姿が描かれる。 ■おもてなしティー 小太郎の同僚、有馬先生(じろう)が購入したのは、2人分の紅茶を淹れると、話し相手が目の前に現れる「おもてなしティー」。紅茶を飲み干すと相手は消えてしまう。最後の1杯には強い出会いの魔法が込められていて、運命の相手を呼び出せる力を持っている。 ■虹色水あめ 美大受験を目指し、美術予備校に通う小太郎の妹まどか(平澤宏々路)だったが、急に絵が描けなくなってしまう。親友の百合子(伊礼姫奈)との画力の差に焦ったまどかは、銭天堂で「虹色水あめ」を購入。丸いビンには水あめ、小さなビンには変化液が入っており、水あめに変化液を垂らしスプーンでかき混ぜると色が次々に変化し、それをなめると心が洗われる。 ■おしゃれサブレ 小太郎の大学時代の後輩で、ファッション雑誌の編集者となった陽子(伊原)だったが、おしゃれに疎い彼女は四苦八苦してしまう。困り果てた陽子が銭天堂で紅子に勧められたのは、「おしゃれサブレ」。これを食べると、自分に似合う洋服やバッグが光って見えるという。 紅子をライバル視するよどみ(上白石)が店主を務める謎の駄菓子屋たたりめ堂。そこでは“お客が集める悪意“をお代に、恨みや妬みを抱える人間にぴったりなお菓子を提供している。 ■ずるずるあげもち 前述したヤマ缶詰によってテストに出る問題がわかるようになった雄太だったが、もっと楽をしたいとよどみから「ずるずるあげもち」を受け取ってしまう。「ずるずるあげもち」の効能は、ズルをすればするほどテストの点が上がっていくというもの。ただし、テストの点は上がるが、勉強ができるわけではないから要注意だ。 ■デッサン汁粉 まどかに追いつきたいという思いが膨らんだ百合子はたたりめ堂で、「デッサン汁粉」を振る舞われる。絵を描く能力は上がるが、周囲の人々の画力を盗み取ってしまう。そんな「デッサン汁粉」の影響で性格も変化した百合子は、まどかに対しあからさまに冷たい態度を取るように。 ■強欲アンコ アンコウの形をしたあんこの和菓子「強欲アンコ」。もっと認められたいという気持ちが強くなってしまった陽子は、たどり着いたたたりめ堂でこの「強欲アンコ」に出会う。欲しいものをなんでも手に入れることができる代償に、心は満たされず、自身の強欲さに苦しめられることになってしまう…。 このほかにも銭天堂には、訪れる人の願いや望みを叶える唯一無二の駄菓子が多数並ぶ。 ■おっかさん仮面 家事を自分の代わりにすべてやってくれる「おっかさん仮面」。ほかの人やぬいぐるみなどにこの仮面を被せると、自分が家を空けている間にすべての家事を行ってくれる。ただし、素直に感謝できない人は、母の日にだけは使用しないこと。母親にきちんと感謝をすることができない人が使用すると、逆に家事を無理矢理やらされてしまうのだ。 ■ミュージックスナック 「ミュージックスナック」は、音楽家になれるスナック。袋の中に音楽記号の形をしたきつね色のスナックが入っており、モーツァルト、ベートーベンなど音楽家ごとに風味が異なる。袋に明記されている作曲家の曲を完璧に演奏できるようになるが、ほかの作曲家の作品を演奏することはできないので注意。 ■眠り貯金箱 余分な睡眠時間を貯めることができる「眠り貯金箱」は、セットした睡眠時間よりも多く寝ると、その分の睡眠時間が貯金される。1時間の貯金で1枚できる金貨チョコは眠い時に食べることができる。ただし、ほかの人に金貨チョコを食べさせてしまうと、自分が眠ることができなくなってしまう。また、たたりめ堂には食べると眠れなくなる「眠れませんべい」という商品がある。 ■留守電でんシール でんでんむしのイラストが施された「留守電でんシール」は、携帯電話に貼ると、持ち主に代わって電話やメールの対応をしてくれるシールだ。持ち主そっくりの応対をしてくれるので、ほかの人にばれる心配なし。逆探知などの機能も備わっているが、電話やメール以外の用途で使用するとオーバーヒートを起こし、小さな音を立てて消えてしまう…。 銭天堂に並ぶのは、「ヤマ缶詰」や「虹色水あめ」など魔法のような力を持つ駄菓子や玩具ばかり。自分だったらどの駄菓子を使って願いを叶えたいか、考えながら『映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」』を楽しんでほしい! 文/サンクレイオ翼