「こいつら殺されても仕方ないよな?」暴走する支持者たち…SNSで大絶賛される安芸高田市長・石丸伸二氏「人気の正体」
切り抜き動画によって作られた「正義の味方」
そうした感情に突き動かされて、本当に石丸氏の言動が正しいのか、議論の内容を検証しようと思い立った。どれだけ不快でも、正しいのなら認めざるを得ない。そうなったら引き下がるだけだ。 だが、結果は驚くべきものだった。 議会の映像をこの目でひとつひとつ確認したところ、石丸氏の発言は、正しいどころかことごとくが支離滅裂だったのだ。論破しているように見えるのは、そのように編集されているからに過ぎなかった。 石丸氏が議員や記者を罵倒する動画を見ると、会話が成立していないことがほとんどだ。意図的なのかどうかは判然としないが、石丸氏は相手の質問を曲解する。相手が言ってもいないことを延々と批判する場面も珍しくない。 こうした状況にもかかわらず「恥を知れ恥を!」「(議員)バッジを外して出て行ってください!」「これが恥の重ね塗りというやつです」「頭が悪い人は具体的な議論のポイントが示せない」「議員の仕事をしてください!」など、啖呵を切るスキルだけは達人なのだから堪らない。 しかし、切り抜き動画制作者たちは、実際には相手の発言とほとんど無関係に発せられている石丸氏のこうした“決め台詞”を、ことさら強調してテロップを入れる。視聴者の多くは、石丸氏があまりにも堂々と自信たっぷりに罵倒するので、まさかそれが頓珍漢なものとは夢にも思わず、検証もせずに心酔してしまう。 動画のコメント欄は「論理的で素晴らしい市長」「安芸高田市の市長にしておくのはもったいない」「議員たちとIQが違い過ぎる」などと絶賛の嵐だ。
礼賛者たちの信じがたい行動
それだけならまだしも、それと対をなすように、編集によって“悪人”あるいは“無知”に仕立て上げられた議員や記者に対し、目を覆いたくなるような誹謗中傷の言葉が投げつけられている。彼らの顔写真はデカデカとサムネイルに使われ、途方もない人権侵害が行われていることは明らかだった。 議員たちの自宅には嫌がらせの電話や着払いの荷物が送られるなどの被害が止まず、後には議員に対して「こいつら生きてる価値あるか? 殺されても仕方ないよな?」などと投稿して脅迫罪で逮捕された男まで現れる。 石丸氏礼讃動画の威力と、信者たちの妄信はそれほどまでに凄まじい。 加えて石丸氏は、一般論を語ったり、敵対していない相手との会話では別人のように温和で、まともなことを語っているように見える。特に現状の政治の問題点を語るのは得意なので、それが問題意識の高い人たちの共感を呼び、ある程度名の通ったインフルエンサーたちでさえもが支持を表明している有様だ。 これが「石丸人気の正体」なのである。 こうした状況に自信を持った石丸氏は、とうとう都知事選にまで立候補してしまった。まさにSNSでの切り抜き動画が隆盛の現代だからこそ起こり得た、一大珍事と言えよう。 つづく記事『都知事選に出馬表明した安芸高田市・石丸伸二市長は「恫喝裁判」「73万円踏み倒し裁判」で相次ぎ敗訴…! それでもSNSで大絶賛される若きエリートの「実像」』では、石丸氏が敗訴した2つの訴訟内容を中心に、チグハグな発言の数々を紹介する。
取材不足(石丸市長ウォッチャー)
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