シタデル・セキュリティーズ、米利下げは年内0.25ポイントのみと予想
(ブルームバーグ): 米シタデル・セキュリティーズによると、米国の力強い経済と根強いインフレによって、米金融政策当局による今年の利下げはあと1度にとどまる見通しだ。
同社の金利トレーディング世界責任者、マイケル・ドパス氏は9日、グローバル・マクロ・コンファレンスでのブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「大胆な予想をすると、年内残りは25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げにとどまるだろう」と述べ、市場は「年内50bpの利下げをなお示唆している。われわれが見るところ、基調的な経済の底堅さやインフレの根強さなどを考慮すると、それは少し高過ぎるように感じる」と指摘した。
9月の米雇用統計が好調だったことを受け、スワップトレーダーは米連邦公開市場委員会(FOMC)の追加利下げの見通しを引き下げ、今年の年末までに約47bpの利下げを織り込む。雇用統計発表前には年末までに0.75ポイントの利下げが想定されていた。ドパス氏は調整は妥当だとした上で、それでも利下げ観測が行き過ぎていると述べた。
市場関係者が次に注目しているのは10日発表の米消費者物価指数(CPI)統計。ブルームバーグがまとめた予想中央値では、食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比3.2%上昇となっている。
ドパス氏はシタデル・セキュリティーズ主催の同コンファレンスで、「これは当局の目標をなお大幅に上回っており、FOMCに引き続き2つの責務を残すものだ」と述べ、「先週の雇用統計では相当な強さが示された。関心は再びインフレに向いている。インフレが目標に達しない可能性を懸念する必要があるだけでなく、それが米当局の反応関数をどう変化させるのかも注視しなくてはならない」と続けた。
原題:Citadel Securities Sees Only Quarter-Point Rate Cut for 2024 (1)