ゆるいのにやせる!効率よく脂肪を燃やす走り方
※2 柳本広二・中城有香子・大和恵子(2017).「脳機能を高める分泌性タンパク質、脳由来神経栄養因子:BDNF」環境が制御する道具としての、気力と記憶 洛和会病院医学雑誌 Vol.28:7-24。Erickson,K et al(2010).Exercise training increases size of hippocampus and improves memory PNAS.1015950108
■10分を3回にわけて走る、運動不足なら筋トレをプラス WHO(世界保健機構)は、少なくとも1週間で150分間の運動を推奨している。これにならうと、ジョギングの頻度は「1日あたり30分間を週5日」が目安となる。 「1回に30分走ってもいいし、朝・昼・晩の3回に10分ずつ走るのもオススメです。もしキツければ、最初は1日10分を週2回でも大丈夫。なるべくハードルを下げて、体を慣らすことから始めましょう」
朝の通勤時は、なるべく早足で10分ほどかけて駅まで歩く。昼は、ランチをとったら再び歩く。夜は夕食後にジョギングをする……こうした習慣でも構わない。 ちなみに、走るタイミングとしてベストな時間帯は「食後90分以内」だと中野さん。これは、血液中に最も糖が多くなる“高血糖”状態が食事の90分後にやってくるからだ。 「糖は血液にのって全身をめぐり、脂肪に貯蔵されると体脂肪になり、筋肉に貯蔵されれば筋グリコーゲンになります。糖を筋肉に貯めたければ、高血糖状態になる前に筋肉を動かせばいい。こうすると筋肉のグリコーゲンが使われて内部にスキマができ、そこを目がけて糖が集まってくるんです。一方、運動不足で筋肉にスキマがないと、糖はすべて脂肪に行ってしまいます」
食後90分以内に運動すれば、糖の行き先を筋肉にできる。さらに、定期的に運動を続けていると、同じ食事をしても血糖値が上がりにくくなり、脂肪に向かう糖も減って体重減少に弾みがつく。 ただし、これまで運動する習慣がなかった人は要注意。がんばってジョギングをしても、やせないケースがある。理由は、そもそもの筋肉量が足りないためだ。 「足の筋肉は体の7割を占めています。足の筋肉量が乏しいと、ジョギングをしても燃やせる脂肪量が少なすぎてなかなか体が変わりません。そもそも、運動しないと筋肉は年に約1%ずつ減っていくため、世界で一番イスに座っている時間が長いといわれる日本人の足は相当弱っているはず。運動不足の人は、ジョギングの効果を最大限に引き出すためにも、必ず筋トレをセットで行いましょう」