TIMSS2023、日本の小4は算数5位・理科6位…正答率67.4%の理科問題とは
国立教育政策研究所は2024年12月4日、IEA国際数学・理科教育動向調査「TIMSS2023」の結果(概要)を公表した。2023年においても、参加した小学4年生・中学2年生ともに平均得点は高い水準を維持。今回は、小学4年生の結果概要と、公開された問題の一部を紹介する。 【画像】平均得点の国際比較(最上位層のみ)
TIMSSとは?
TIMSS(Trends in International Mathematics and Science Study)は、初等・中等教育における算数・数学と理科の学力を国際的に比較するために行われる調査。1995年の開始以降、4年ごとに実施されており、教科調査に加え児童生徒、学校関係者に対する質問調査もあわせて行われている。2023年の調査では、小学校は58の国・地域から約36万人が参加。日本からは、IEAの設定した基準に従い、小学4年生3,875人(141校)が参加した。調査時期は2023年3月。調査には前回からCBTを導入しており、日本は1人1台端末等を活用して今回初めてCBTにより参加した。
日本の成績は高水準を維持
2023年の調査で、日本の小4と中2の平均得点は引き続き世界トップレベルを維持している。小4の平均得点は、算数が591点で5位、理科が555点で6位となった。算数では前回調査(2019年)から有意な変化は見られなかったが、理科は前回に比べ有意な低下がみられた。特に小4では理科の「知識」領域の得点がほかの領域に比べて低い結果となってる。
小4公開問題に挑戦【理科:難易度…難しい】
TIMSS2023では、実際の問題の一部を公開問題として公表している。その中から、小4理科の公開問題を1つ紹介する。
磁石の性質に関する知識を応用し、横断的に活用できるかを問う問題
<問題概要> 2台の汽車の模型に磁石が載っている状況において、後の汽車イを前の汽車アに向けて動かした時に、汽車アがどのように動くのかを問う問題。ニ者択一に加え、その理由の説明を自由解答で求めている。
この問題の日本の正答率は67.4%で、全体4位に位置する。国際平均は27.5%。内容領域は物理・化学、認知的領域は応用に分類される問題。難易度は難しい。