全国自治体ユニーク部署いろいろ 元祖「すぐやる課」は設立45周年
高齢者関連では、群馬県太田市が2000年に高齢対策課を「元気おとしより課」に変更。老人会活動の支援やシルバー人材センター運営のほか、「おとしより見守り隊」の活動も。あえて「高齢者」「お年寄り」の言葉を外していた東京・江戸川区の「すこやか熟年課」は、3年前に福祉推進課に統合されたが、傘下の「孝行係」「生きがい係」は継続している。 そして沖縄県民以外はまず「???」なのが那覇市の「ちゃーがんじゅう課」。「ちゃー」は「ずっと」「いつも」、「がんじゅー」は「頑丈」「元気」の意味で、「いつまでもお元気で」という挨拶が由来。前身は高齢者福祉課で、新名称は職員の公募で決まったそう。 伝説的存在(?)といえば武雄市にあった「佐賀のがばいばあちゃん課」。高齢者福祉と思いきや島田洋七の自伝的小説をドラマ化する際のロケ招致と市のPRが目的だった。招致を果たした現在、業務は観光課に移管されている。武雄市には他にもユニークな部課が。「つながる部」には定住・起業支援を行う「お住もう課」、男女の仲をとりもつ「お結び課」、営業部には鳥獣害対策も商品開発も行う「いのしし課」や九州新幹線西九州ルートを追い風に地域振興を図る「わたしたちの新幹線課」などなど。新幹線つながりでは、来春3月の北陸新幹線開業を控える長野県飯山市に「いいやま住んでみません課」。空き家バンクや農業体験などの定住支援、婚活支援お見合いパーティーにはミドル・シニア編もある。 いずれも地域活性化の一環だが外せないのは名所や名産。青森県弘前市には「りんご課」、山梨県富士吉田市に「富士山課」があれば静岡県富士宮市には「富士山世界遺産課」が。和歌山県みなべ町の「うめ課」は観光全般を担当し、有田市の「有田みかん課」は農林畜産業の振興や鳥獣保護もカバー。愛媛県八幡浜市の「みかん課」は農林課のフェイスブックページだ。兵庫県朝来市には「日本のマチュピチュ」竹田城を核に地域活性化を目指す「竹田城課」。同課によれば10月末から11月いっぱいが竹田城と雲海の見頃だそう。 そして今年2月に発足したのが、宮崎県小林市の「チョウザメ・キャビア課」。日本初の完全養殖に成功したチョウザメのPRや起業支援に官民連携で取り組む。同じく宮崎県の「MKB26」は総選挙やじゃんけん大会でおなじみのアイドルではなくMiyazakiken KaizenKaikaku Before-After 26の略。県内26市町村の改革事例を共有し、行政サービス向上を目指す自治体職員の自主プロジェクトとのことで、「劇的」な改善を期待しています。 * 2013年度から、特定外来種など生き物に関する相談は「環境政策課」が窓口になっている。 (文責・武蔵インターナショナル)