先祖を「おんぶ」で自宅へ…塩尻地方の迎え盆【長野・塩尻市】
塩尻市洗馬の長興寺では先祖を迎え入れるため、朝から多くの人たちが墓参りに訪れました。塩尻市では先祖をあるユニークな方法で迎えます。 家族全員でお墓を掃除した後…、おじいちゃんが納骨室のフタをあけました。 そして! ■おじいちゃん 「はい、おんぶしていってください。」 おんぶ? ■娘(帰省中) 「ここにおじいちゃんとおばあちゃんがいるんで。それをおんぶして家に連れて帰ります。迎えにきました。」 (Q いまおじいさんの背中にはご先祖様がいらっしゃる?) 「落ちそうです。もう落ちました。」 先祖はおぶられたまま山を降り、寺の駐車場まで来ました。 ■孫 「はい、乗せて。(車に)乗せる。」 ■おじいちゃん 「ほいで、お盆が過ぎるとまた(おんぶして)連れて戻ってくるんですよ」 塩尻市では、先祖をおぶって家に迎えるという風習があります。ただ、すべての家で行われているということではないようです。 ■市内在住 「うちではやらないですね。あとは、自宅の前で迎え火を焚いて」 こちらの家族はどうでしょう? ■市内在住 「萩の木を持って降りるんだけども…(萩の木を折る)よし、はい」 先祖を宿した萩の枝をおぶるように家へ連れ帰ります。 迎え方はそれぞれですが、先祖を敬う気持ちは同じです。