「効率化」を叫び、労働時間の上限を獲得した若者たちの不幸が始まっている!? ――西野亮廣が見た、クリエイティブの現場の真実
「仕事量」より「効率化」を選んだ若者たちへ。「量」をこなさないと「効率化」できないのが現実だ!
23万部のロングセラー『夢と金』の著者であり、今、ビジネスパーソンが追うべき人物の筆頭である西野亮廣さん。今回は、若者と仕事をすることも多い西野さんが、「働きたくても働けない若者」の悲鳴を掬い上げた。コスパ・タイパを主張する若者が増え、労働時間の制限を獲得した若者たちは、自分で自分の首を絞めている! 音声メディア「voicy」で配信中の「#西野さんの朝礼」から編集してお届けする。 【動画】西野さんの最新作、コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』 今日は【働けない時代 ~雇用形態の正解を探す~】です。
働きたくても働けない世界を作ったのはキミ達だよ
隙間時間を見つけて、CHIMNEY TOWNの若手と「ぶっちゃけ、仕事、どんな感じっすか?」という話をすることがよくあるのですが、先日、CHIMNEY TOWNの山崎が面白いことを言っていて、曰く「若くて、体力があるうちに、もっと働きたいのに、労働基準法があるので働けない」と。 それに関しては詳しくは言えませんが「上手く(いい感じに)やれよ」と思っているのが一点、そしてもう一点は「その世界を作ったのはオマエの世代だから、矢印を向けるならオマエの世代に向けろよ」というのが一点。 今はタレントさんの労働時間もある程度は守られてるんですかね? 僕が20代の時は少なくともそんなものはなくて、梶原さんに聞いていただければ分かると思いますが、1日平均20時間ぐらいは働いていました。 会社としては「いやいや、そこまでスケジュールを詰めてないでしょ?」という逃げ道を用意していたのかもしれませんが、「いやいや、ここに新ネタの番組が入っているってことは、この移動中にネタ作りとネタ合わせをしないといけないわけで…」ということだらけで、とにかく長時間働いたんです。 ところが、僕の下の世代になると、「パワハラだー」「モラハラだー」という感じで、やたら権利を主張するようになり、当然、その中には「労働時間を見直せー」という主張もあり、見事にその主張を通し、「働きたい子が働けない世界」を勝ち取ったわけですが、それは、くれぐれもオッサン連中から求めた世界ではありませんでした。 オッサン連中は口にしないだけで(口にできないだけで)、今でも内心「もっとやれよ。その量で勝てるわけねーだろ。実際、勝ってねーし」と思っています。 なので、ここはハッキリさせておきたいのですが、「『労働量』で逆転できない世界を作ったのはオマエ達だぞ」ということと、「『効率化』『効率化』と言いますが、量をこなさないと『効率化』できませんから。残念」というギター侍だけお届けしておきます。 #懐かしい これは、結構由々しき問題だと思っていて、僕は友人に30代や40代の友達が多いんですけども、その多くは「下の世代からの突き上げ」にまったくビビってないんです。 むしろ、彼らの悩みは「下の世代の育児なのか、若年性老害の介護」で、まさか自分の身が脅かされるなんて思っていない。 逆に、今「量をこなすヤツ」は昔よりも取り分が大きい…とも言えるので、チャンスっちゃあチャンスですが、「働きたくても働けない世界を作ったのはキミ達だよ」ということは、繰り返しお伝えしておきます。