5年間で土地の価格が急上昇。移住者急増の北海道・東川町で今、起きていること。坪単価の安い土地を購入してはいけない理由とは…
長きにわたる東京での編集生活を経て、約2年前に北海道にある東川町との二拠点生活をスタートした下田結花が、都会とローカル両方の暮らしを過ごすなかで感じたこととは?この地での魅力をお伝えします。 二拠点生活がうまくいくかどうかは、土地探しで決まる、とも言えます。人気急上昇中の東川町において、暮らし方を想定した土地選びについてお伝えします。 【写真集】移住者急増の東川町。北海道の土地探しのポイントは?
二拠点生活の土地探し
私が北海道の真ん中、東川町で二拠点生活をしようと土地を探し始めたのは2018年のことです。 東京から来ると土地はいくらでもあるように見えました。しかし、そのほとんどは農地で、宅地はかなり限られていました。そのうえ、私の希望は町中の分譲地ではなく、周りに田んぼがある場所。そうなると離農した農家の宅地(農家さんがもともと住んでいた家)ということになります。 役場で不動産屋さんを紹介してもらい、希望を伝えて土地が出たら知らせてもらうことにしました。それから数ヶ月後、「これからマーケットに出すのですが」とご連絡があったのです。希望していた通りの、周囲は田んぼに囲まれた離農宅地で、古い家と納屋が建っており、そのほとんどの土地は畑として使われていました。 ご両親が農業をしていた家でしたが、息子さんは旭川に住み、楽しみで畑をやりに東川に通っていたのです。しかし、お年を重ねて畑は今年限りと決められ、宅地として売りに出されるとのことでした。町のメインの道路に面した、南向きの緩やかな傾斜地。翌週すぐに現地に見に来て、2019年7月に、土地を譲っていただきました。
5年間で変わった東川の不動産の状況
東川が気に入って何度も遊びに来る友人たちのなかには、同じように東川に住みたいという人たちも出てきました。そのなかのひとりが真剣に土地探しを始めたところ、これがなかなか大変でした。もともと宅地が少ないうえに、この5年間で東川町のメディアへの露出も増え、東川ブームといってもいいような状況が起きてきています。 二拠点生活を希望する人たちも多く、売り地の看板が出ると、即座に列をなす状況。友人が電話をすると、すでに10組以上の方が待っていることも少なくありませんでした。まして、ネットに掲載されてからでは全く話になりません。 当然ですが坪単価も上がり、私が土地を購入したときの2倍以上の価格になってきています。場所によってはそれ以上のことも少なくありません。 1坪数百万も珍しくはない東京の土地価格に比べれば、全くレベルが違いますが、町が整備している分譲地でさえ150坪から200坪が普通です。ましてや農家宅地となると小さくても400坪、場合によっては1000坪を超えることも。そうなると、いくら坪単価が安くても、かなりの金額になってしまいます。