神村学園は2戦連続PK勝利の近江と対戦 堀越&佐賀東の両校は初の4強を狙う C・Dブロック準々決勝展望
夢の国立まであと1勝。昨年12月28日に幕を開けた高校サッカー選手権は1月4日に準々決勝が開催される。Aブロックでは名古屋と市立船橋、Bブロックでは青森山田と昌平が対峙する一方で、Cブロックは神村学園と近江が浦和駒場スタジアムの第2試合、Dブロックは堀越と佐賀東が柏の葉公園総合競技場の第2試合で実施される。 【速報ボード】第102回全国高校サッカー選手権大会 今季からU-18高円宮杯プレミアリーグWESTに初参戦している神村学園は昨年度に続く4強入りを目指す。 「(県予選決勝から2週間ほどで開幕したので)1回リセットしてチームを作り直す作業ができず、そのまま全国大会に乗り込んできた。逆に今ぐらいが1回ホッとしているタイミングかもしれない。ただ、ここで気を引き締められるので、良い方向に行くとは思う」 有村圭一郎監督の言葉通り、初陣となった2回戦は難しいゲームとなった。松本国際に2-0で勝利した一戦は、前半から持ち前の攻撃力をいかんなく発揮して得点を重ねた。福島和毅(1年)と新垣陽盛(2年)のダブルボランチを軸にボールを動かし、相手陣内に進入。左サイドハーフの名和田我空(2年)と左SB吉永夢希(3年)のコンビが封じられたのは誤算だったが、右サイドの大成健人(2年)と右SB有馬康汰(3年)がフリーランを交えて相手を翻弄した。2つのゴールはいずれも右サイドからで、2点目を奪ったのも有馬。分厚い攻撃は流石の一言で簡単には止められなかった。だが、後半は運動量が落ちてペースダウン。自陣で相手の攻撃を受ける時間帯が増え、今後の戦いに少なからず不安を残した。神戸弘陵との3回戦も1点を争うゲームとなり、後半早々に新垣が先制点を奪ったものの、即座にセットプレーから失点して同点に追い付かれてしまう。以降も相手のパワフルな攻撃に手を焼き、後半31分に名和田の2試合連続ゴールで勝利をもぎ取ったが、磐石の試合運びとは言えなかった。ただ、状態が上がってきており、選手層の厚さも見せている。中1日の連戦が続くなかで、どのような戦いを見せるのか注目したい。 神村学園と対峙する近江は厳しい組み合わせを乗り越え、2試合連続のPK勝利でベスト8に勝ち上がってきた。夏のインターハイでベスト4の日大藤沢と戦った2回戦、同優勝の明秀日立と戦った3回戦はいずれも0-1と先行を許したが、後半にエースのMF山門立侑(3年)がネットを揺らして同点に追い付いた。PK戦では2試合ともにGK山崎晃輝(2年)が活躍。見事なセーブで勝利を手繰り寄せ、ヒーローとなった。タフに戦い、チームは一戦ごとに成長。すると、今大会は過去最高の2回戦を大きく超え、ベスト8まで勝ち進んで歴史を塗り替えた。攻守の切り替えは早く、インテンシティーも高い。U-18高円宮杯プリンスリーグ関西1部で2位に入り、プレミアリーグ参入プレーオフに参戦したチームの実力は本物だ。キャプテンのCB金山耀太(3年)を中心に新たな景色を見るためにも、次なる戦いも負けられない。