実家は資産家なのに「60代姉妹」が“謎の孤独死” 15年前の年初を騒がせた怪事件…父親も不審死で「身体中にタバコを押し付けた痕があった」
代々の土地持ちで、名家として有名
しかし、実は、この姉妹、近所では資産家のお嬢さまとして知られていたのである。なのに、なぜこのような困窮の果てに、孤独死に追い込まれなければならなかったのか。 近所の住民が振り返る。 「代々の土地持ちで、名家として有名でしたわ。かつでは駅からこの辺りまでずっと敷地だったという話もあったくらい。彼女たちの祖父は手堅く個人商店を営んでましたけど、父親は地銀で重役にまで出世した人やったんですよ。朝には銀行の黒塗りの事が迎えにきて、颯爽と乗り込んでました」 姉妹の父Cさんは大阪の地銀で支店長を歴任し、幹部職や監査役も務めた。監査役退任後は顧問となり、同行が大株主だったメーカーの監査役に就任している。一方で、一家の不動産管理のための資産管理会社も経営していた。 近くの飲食店経営者によれば、 「Cさんの家は、そら立派でしたよ。敷地は、200坪はあったんちゃうかな。蔦の絡まる2階建ての大邸宅で、その隣には、桜の木が数本植えてあってね。季節になると、満開の桜が見事でした。ここら辺は文化住宅みたいなのが多いし、なおさら目立っていた。その他にも、自宅の前に駐車場とアパートを2棟所有し、河内長野に山も持ってはるって言うてました」
事業に失敗し自宅で“不審死”
銀行員時代から、盆栽が趣味だったC氏は、園芸ショップの経営にも手を伸ばしたという。 「でも、これが失敗やった。銀行のおエライさんやったから、大名商売みたいなもんで、商品の仕入れからしてからっきしダメ。盆栽も業者に騙されて高値で掴まされていた。2、3年で店は潰れました。それからは、酒浸りですよ。近所のスナックで前後不覚になるまで酩酊するわ、騒ぎを起こすわで、終(しま)いにはカネも払わんと飲もうとしていた。スナックの従業員に姉妹のどっちかが呼び出され、カネを払っていました。そこで、親子喧嘩が始まって、もう見てられんかった」(同) 昭和57年、68歳でC氏は急死する。ある知人がこう話す。 「自宅の廊下で倒れていました。ただ、身体のあちこちにアザやタバコの火を押し付けた火傷の痕が見つかり、虐待が疑われたんです。警察に“不審死”扱いされ、遺体が戻されるのにしばらく時間がかかった。葬式の場で彼女たちの母親が、『娘たちが父親の寝ている間にタバコを押し付けてるねん』と嘆いていましたよ。その母親も14年後、自宅の階段で転落死しました」