映画『キング・アーサー』の邦題が急きょ変更 それってよくあることなの?
『スナッチ』や『シャーロック・ホームズ』シリーズのガイ・リッチー監督の最新作『キング・アーサー 聖剣無双』の邦題が『キング・アーサー』に変更されることが話題を集めている。 同映画のポスターをはじめ、宣伝資料などの印刷物には、すでに“聖剣無双”という文言が入っているものも数多く見受けられる。 また、ウェブサイトなどでも、いまだに“聖剣無双”と書かれた記事も散見されるなど未対応な部分も多く、急きょの決定だったことが伺える。
洋画の邦題は日本の配給会社が主導
そもそも洋画の邦題はいったいどのようにして付けられるのか? 映画配給会社スタッフは明かす。 「一部例外はあるものの、基本的には映画の買い付けを行った配給会社(およびプロモーションを行う宣伝会社)が付けます。『キング・アーサー』のワーナー・ブラザーズさんのように、アメリカに親会社があり、その日本支社が配給を行う場合は“協議”によって決められますが、前提としては日本の関係者で決めたものに対して、本社が決定するという流れでしょう」 近年では、基本的に原題をカタカナに直したものが邦題として使用される場合も多くなっているが、それでも原題を意訳して、特徴的な名前を付けることも多い。 例えば14年に興行収入254億円を挙げた『アナと雪の女王』の原題は「Frozen」であり、直訳すれば「氷で覆われた」、「氷結した」となる。 また、スティーブン・ダルドリー監督が映画化した『リトル・ダンサー』の原題は「Billy Elliot」。こちらは、その後ミュージカル化され世界的ヒットを遂げ、日本でもミュージカル上映されることが決定。邦題、原題ともに認知されるようになった珍しいケースだ。
ゲームファンが過敏に反応
『キング・アーサー 聖剣無双』の原題は「King Arthur: Legend of the Sword」。「Legend of the Sword」は「剣の伝説」といった意味になるため、内容的には大きくずれているものではないだろう。 では、どうして急きょの変更になったのだろうか? 作品関係者は「配給先であるワーナー・ブラザーズ本社と協議した結果」と語っているが、ゲームライターはあることに注目する。 「本作の情報が解禁されたとき、『聖剣無双』というキーワードがTwitterでトレンド入りしました。これは、『スクウェアから発売されている人気ゲーム『聖剣伝説』とコーエーの『無双』がコラボしたゲームが登場するのでは?』と思った人が多かったのではないんでしょうか」 つまり「聖剣無双」というキーワードにゲームファンが興奮したというわけだ。 さらに、同ゲームライターは「しかも映画のロゴも、いかにも『無双』シリーズを輩出しているコーエーテクモゲームスの『無双』シリーズを意識させるようなデザインなんです」と語るが、実際にTwitterだけでなく、インターネット上ではこうした意見が散見しており、「てっきり新作ゲームが出るのかと思った」という声も多い。 その後、しばらくして映画のタイトルから「聖剣無双」という文言が外されるという報道が出たが、同映画の関係者からは、その理由は明らかにされていない。 この件について、前述のゲームライターはあることを指摘する。 「コーエーテクモゲームスが、2017年3月15日に『聖剣無双』という名前を日本特許庁に商標登録し、4月4日に公開されているんです。その時は、映画と同じタイトルだったので、映画とのコラボかなと思ったのですが、映画のタイトルが変更になったことを考えると違うのでしょうね。逆に、タイミング的には、この商標登録によって、映画のタイトルが使用できなくなったと考えるのが妥当ではないでしょうか」