【去勢し、独房に…】教え子7人に性的暴行の元保育士が被害者家族に言い放った「空虚な謝罪」の中身
被害者家族の「悲痛な怒り」
前編記事『【娘が突然泣き叫ぶことも…】27歳元保育士が園児へ性的暴行・被害者家族が抱く「おさまらない怒り」』では、元保育士の長田凪巧(おさだ・なぐみ)被告(27)による性被害に遭った園児の家族が、行きどころのない怒りを吐露した。 【写真】笑顔を見せることも…園児に性的暴行の元保育士、逮捕前の姿 勤務していた2ヵ所の保育園で合計7人の園児(起訴された順番にA~Gちゃん)に性的暴行を加え、またその行為を撮影したとして不同意性交等や児童ポルノ禁止法違反などの罪に問われている元保育士の長田凪巧被告(27)。 10月15日に東京地裁で行われた第6回公判で怒りをあらわにしたのは、Eちゃんの父親だ。 「(法廷で)被告人に反省や謝罪の気持ちがまったく見られませんでした。被告人質問を終えてから、被告人も被告人の親も、資産を持ち逃げした元妻も……一族に対し、憎しみの気持ちが湧きました。 被告人は去勢し、一生、独房から出ないでほしい。私たちの普通の日常を返してほしい。どうか裁判官の皆さまには、そのことを考慮したうえで、判断をしていただきたいと思います」 続いて、Fさんの意見陳述書を検察官が読み上げた。 「娘は被害を受けてから数年たった今でも、友人との間で事件のことが話題に上がるたび、自分が被害者であることを隠しながら生活しています。当時、被告人のことを信頼しきっていたなかで被害を受け、娘は自分がおとなしそうだから狙われたのではないかと悩んでいます。 公判では被告人から『娘を狙った理由はとくにない』という発言があり、幼児であれば誰でもよかったのか、なぜ娘が被害に遭わなくてはならなかったのかと、行き場のない思いに日々、悩まされています。娘にひどいことをしておきながら、保育園ではいったいどんな気持ちで、私たち両親と接していたのでしょうか。信じられないことばかりです」 ◆向き合う姿勢は見受けられず 公判での長田被告の発言や態度から「事件や被害者やその家族ときちんと向き合っているようには見えなかった」として、こう続けた。 「自分が犯した罪の重さから目をそむけている被告人が更生し、再犯の可能性がなくなるとは、とうてい思えません。被告人には二度と同じようなことをしないよう、厳しい処罰を望みます」 最後に、Gちゃんの保護者の代理人弁護士が意見陳述書を読み上げた。 「くしゃくしゃになった紙が元に戻らないように、心に受けた傷は記憶という形でずっと残ってしまうものです。娘の心は事件の前には戻らないのです。今、平穏に生活を送れたとしても、10年後、20年後にPTSDの発症という形で突然崩れてしまうかもしれない、そんな爆弾を娘は抱えて一生を生きていくことになってしまいました。被告人は娘が一生、抱えて生きていかなければならない、生涯にわたっての罪を犯したのです」 意見陳述曽は長田被告の「自分は性依存症で今後、治療を考えている」という発言に触れ、犯行に及んだのは病気のせいなどではないとして、厳罰を望むと記されていた。 「被告人が被害者を生み出したのは、子供を道具のように扱うという極めて醜悪な人格によるもので、病気のせいなどでは絶対にありません。病気などという都合のいい言葉が被告人の逃げ道になるようなことがないよう、切に願います。 このような人間を再び社会に解き放ち、新たな被害者を出す可能性を今一度、真剣に考えていただきたいと思います。被告人が私たちの前に二度と姿を現さず、二度と社会に出て来られないよう、厳罰に処されることを強く望みます」 ◆謝罪の言葉を口にするも… 意見陳述の後、論告弁論が行われた。 検察官は「保育士という園児から信頼されている立場を悪用した極めて卑劣で悪質な犯行で、心身に与えた悪影響は甚大。約2年3ヵ月と相当な期間に犯行を繰り返したもので、常習性は顕著であり、再犯の恐れが大きい」と述べ、懲役15年を求刑。 一方、弁護人は「反省文を書き、真摯に反省している」「治療に取り組み、今後は少年に関わる仕事に就かないと誓約するなど再犯の可能性がない」など酌むべき事情があるとして「寛大な判決」を希望した。 最終陳述で長田被告はゆっくりと証言台に向かい、絞り出すようにこう述べた。 「私が自分勝手な自分の欲を満たすために、何の罪もない子供たちを被害者にしてしまったことや、消えることのない傷を負わせてしまったことは事実です。被害弁償等について、何もできていないということも事実で、私自身の知識のなさ、甘さが招いたことでもあります。 本当に、ただただ、私が卑劣な犯罪者であったこと、被害者の方々には心から申し訳なく思っており、ただひたすらに、その一心です。何も弁解の余地はありません。本当に申し訳ございませんでした」 そして、最終陳述を終えると、崩れ落ちるように被告人席に座りこんだ。顔は紅潮し、ぼんやりとした目つきで下を向いていた。 被害者の保護者から直接、または文章で「絶対に許さない」という怒りをぶつけられ、少しは自分が犯した罪の重さを感じることができたのだろうか。 判決は11月14日に言い渡される。 取材・文:中平良
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