虎のソナタ 「代打オレ」言いたくなっているかも!? 猛打で昇りつめた85年、いま岡田選手がいてくれたら…
「代打、ワシや」
選手は信用できない。ワシが打って決めてやる! そんな感じでの登場に、甲子園の観衆は沸きに沸いたという。
藤村の〝物干し竿〟と呼ばれたバットが変化球を捉えた。打球は左翼席へ。これ以上ない、出来すぎた一撃。代打逆転サヨナラ満塁本塁打というだけでも、極めてレアなのに、それを監督が放ったという時点で、史上唯一のメモリアル弾だ。
ちなみに、これがミスタータイガースの生涯最後の本塁打になった。
近年では2006年にヤクルト監督・古田敦也の「代打オレ」が話題を集めた。名将・野村克也は南海監督時代の74年5月10日に「代打オレ」3ランを放っているが、衝撃度では68年前の劇弾には及ばない。
残念ながら岡田監督には「代打オレ」という権利はないが、心の奥底では言いたくもなっているのでは…。祈! 猛虎打線復活-。