なぜ井上尚弥は約1億円のファイトマネーを稼ぐのか…20日米ラスベガスでのダスマリナス防衛戦に死角なし
もう一人の世界王者、WBO世界同級王者、ジョンリエル・カシメロ(31、フィリピン)は、8月14日(日本時間15日)にWBA世界同級正規王者のギジェルモ・リゴンドー(41、キューバ)と統一戦を戦う。 2020年4月に一度は井上との対戦が決定しながら新型コロナの影響で流れたカシメロは、その後もSNSで井上への挑発を続けていた。だが、リゴンドーも強敵。7年前の大晦日に来日。天笠尚の挑戦を受け、途中、ダウンを喫しながらも、天笠の顔が変形するほどのダメージを与えた“人気はないが負けない”ボクサーである。 井上陣営は、3つ目のベルト獲得は年内と考えており、ドネアか、カシメロ対リゴンドーの勝者か、相手は交渉次第だろうが、いずれにしろ世界が注目のビッグバウトになる。 大橋秀行会長は、この日、今回の試合のファイトマネーが100万ドル(約1億900万円)であることを明かした。PPV放映される重量級、中量級の金額は、もう一桁違うが、軽量級では異例のファイトマネーだ。 ちなみに米メディアの報道によると、先のWBC世界バンタム級タイトルマッチでは、新王者となった5階級制覇王者のドネアが14万4000ドル(約1570万円)で、王者のウバーリが21万6000ドル(約2355万円)だった。 世界的プロモーターであるトップランク社に、そこまで評価されている理由は、井上のファイトスタイルにある。ただ豪快に戦いKOを演出するのははなく、カウンターも含めて芸術的とも言える美しいボクシング技術がある。KOマシンではなかったフロイド・メイウェザー・ジュニア(米)が絶大な人気を誇ったのは、ビッグマウスも含めたキャラクターもさることながら、「打たせずに打つ」という超絶テクニックが評価されたから。本場アメリカのボクシングファンは、単純のようで、そういう部分も好む。まさに井上のボクシングは、スーパースターの条件を満たす。 今回は新しく開業するバージンホテルズに4000から5000人のファンを迎え有観客で開催される。前回は、試合会場はラスベガスとはいえ無観客マッチ。実質的には、この試合がラスベガスデビューと言っていい。 「凄く楽しみです。どんなものを見せれて、どんなものを伝えられるか」 試合内容次第ではスーパースターの階段を早足で駆け上がることになるだろう。 では、肝心の試合は、どんな展開になるのだろうか。