野球とマイノリティー:WBCで自己のルーツに触れるメジャーリーガーたち
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3月8日にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕した。我らが侍ジャパンは4連勝でいち早く1次リーグを突破。日本は大谷フィーバー、ヌートバーフィーバーに沸いている。とは言えWBCも6年ぶり5回目の開催となり、日本における大会の雰囲気もだいぶ落ち着いてきた。アメリカを筆頭に強豪国といわれる国々がベストメンバーではないことも知られてきたし、全参加国が死に物狂いで優勝を目指す大会ではないことは、普段から野球に興味がある人なら理解しているだろう。 スポーツ紙はある意味で煽るのが仕事なので大仰な見出しを付けるが、日本代表も第1回、第2回大会のような、日の丸を背負って絶対勝たなければならない、失敗できないといった悲壮感は多少なりとも薄れてきた。当時、代表を辞退したヤンキースの松井秀喜が叩かれたが、今ならその選択を理解する声も少なくないのではないだろうか。
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大冨真一郎