「セリカGT-FOUR」電撃復活か!? 北米トヨタが最強の「GR86」実車公開! パワートレインは「GRカローラ」の3気筒ターボとスポーツ4WDを移植
往年のトヨタのラリーカーを想起させるカラーリング
2024年11月5日から8日まで米国ラスベガスで開催されたアメリカ最大のカスタマイズカーのイベント「SEMAショー2024」で、北米トヨタが実車を公開した「GR86」ベースのカスタムカーが注目を集めています。 【画像】「えっ!…」これが復活を遂げた現代版のトヨタ「セリカGT-FOUR」です(30枚以上) ひと目見て、往年の名車「セリカ GT-FOUR」へのオマージュだと分かるこの「GR86」は、果たしてどんなモデルなのでしょうか?
北米トヨタが「SEMAショー2024」で実車を公開した「GR86」のカスタムカーは、その名も「GR86ラリー レガシー コンセプト」。トヨタのワークスラリーカーとして、かつてWRC(世界ラリー選手権)に参戦していた“ST185”型や“ST205”型の「セリカ GT-FOUR」からインスパイアを受けた1台です。 2024年モデルの「GR86 パフォーマンスパッケージ」をベースとするダイナミックなコンセプトカーで、パフォーマンス、ノスタルジア、そして、ラリーの未来に対するトヨタの取り組みを示しています。 「GR86ラリー レガシー コンセプト」で目を惹くのは、なんといってもボディカラー。純正色である「ハローホワイト」(日本名は「クリスタルホワイトパール」)をベースに、かつてWRCに参戦していたトヨタのラリーカーを想起させる、赤と緑のアクセントが散りばめられています。 また、フロントバンパー上の4連ライトポッドや大きく赤いマッドフラップ、カスタムエキゾーストシステム、「セリカ GT-FOUR」風リアスポイラーなどにより、ビンテージラリーマシンのようなルックスを完成させています。 一方、キャビン内にはラリーマシンらしくロールバーを装備。赤い6点式シートベルトやレーシングシートも目を惹きます。 ●「GR86」のシャシーに「GRカローラ」のパワトレを移植 「GR86ラリー レガシー コンセプト」は見た目だけのカスタムカーではありません。パワートレインには、「GRカローラ」に採用される1.6リッター3気筒ターボエンジンと“GR-FOUR”AWDを移植しています。 とはいえ、水平対向エンジンを縦置きに搭載する「GR86」のシャシーに、背の高い横置きのG16E-GTSエンジンとGR-FOURを搭載するのはかなりの困難が伴ったようです。 エンジンは、ボンネット下とトランスミッション用トンネル部になんとか収まったようですが、駆動系パーツとサスペンションに必要なクリアランスを確保すべく、フロント回りのシャシーは若干の改造が加えられています。具体的には、サブフレームとエンジンマウントに専用のものを採用しています。 また、FR(フロントエンジン/リアドライブ)の「GR86」を4WDヘ改造するために、フロントサスペンションの大幅改造に加え、「GRカローラ」のハブ、スピンドル、車軸を移植。 併せて、適切なステアリングフィールと操舵時のクリアランスを確保すべく、ステアリングラックにも調整が加えられているほか、リア回りでも「GRカローラ」のディファレンシャルとハウジングが移植されています。 さらに、G16E-GTSエンジン自体にも手が加えられています。高性能なインタークーラーやオイルクーラーなどを装着。エンジンの制御はレース用ECUでおこない、燃料供給量、点火タイミング、ターボブースト、センサー監視などをコントロールしています。 現状の「GR86ラリー レガシー コンセプト」は、最高出力、最大トルクともノーマルの「GRカローラ」と同じだといいますが、今後のチューニング次第で出力アップを図る余地が残されているといいます。 * * * 北米トヨタによると、「GR86ラリー レガシー コンセプト」はトヨタのラリーに対する揺るぎない情熱の証であり、TOYOTA GAZOO Racingとトヨタのラリーファンのために制作されたといいます。 “空想のクルマが現実になったようなもの”と彼らはアナウンスしていますが、SNSなどではすでに、市販化を熱望する声が挙がっています。反響次第では近い将来、「セリカGT-FOUR」の現代版が登場するかもしれませんね。
VAGUE編集部