i☆Ris、デビュー12周年を目前に驚きの挑戦も アニソン/声優ユニットシーンで“果たし続ける”役割
まもなくCDデビュー12周年を迎える、声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット・i☆Ris。11月4日にはぴあアリーナMMでの、自身初となるアリーナでのワンマンライブ『i☆Ris 12th Anniversary Live ‐初☆アリーナMM(マジみて)‐』の開催を控える彼女たちは、今やアニソン/声優ユニットシーンを引っ張る存在のひとつにまで成長した。そこで本稿では、i☆Risを含めたこのユニットシーンの変遷を踏まえつつ、i☆Risが今放つ輝きについても改めて紐解いていきたい。 【ライブ写真】i☆Ris、デビュー10周年記念コンサートの様子 ■声優ユニットシーンに革新をもたらしたスフィア、μ’s、そしてi☆Ris 21世紀に入ってからの声優ユニットシーンでエポックメイキング的な役割を最初に果たしたのは、2009年に結成したスフィアだろう。デビュー時点でメンバー4人がいずれもTVアニメのメインキャストを務めるなど声優として新進気鋭の存在だったうえに、ももいろクローバーZなどの振付で知られる石川ゆみが振付を担当。声優ユニットのライブパフォーマンスに求められる水準を一気に上げた存在でもあった。また作品発のユニットではあるが、同じく石川ゆみが振付を担当した『ラブライブ!』発のスクールアイドルユニット・μ’sも2010年にデビュー。こちらは2012年の2月に開催した1stライブから、ダンス単体はもとより、高いクオリティでの“映像とパフォーマンスとのシンクロ”という側面からもシーンに衝撃を与え、今日まで続くシリーズの礎を築いていった。 そして、『第1回 アニソン・ヴォーカルオーディション』の合格者により2012年に結成されたi☆Risもまた、大きな役割を果たした――というよりは、“活動を続けることで果たし続けている”存在と言えるのではないだろうか。彼女たちは2014年に全員がメインキャストとして出演する『プリパラ』(テレビ東京系)のアニメ放送がスタートしてより一層脚光を浴びると、ライブパフォーマンスのクオリティの高さも注目され、まさに“声優とアイドルの活動を両立する”というコンセプトを体現していく姿が支持を集めた。しかもそれを短期間だけでなく、10年以上にわたって継続できているという点が、エポックメイキング的な役割を“果たし続けている”と呼べる所以。この秋もメンバーの芹澤優がアニメ『最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える』(TOKYO MXほか/アルマ・イウディカーレ役)で、久保田未夢がアニメ『嘆きの亡霊は引退したい』(TOKYO MXほか/ティノ・シェイド役)にてメインキャストを務めるなど、活動当初からのコンセプトを守りつつ、ライブではハモりも含めて生歌唱しながら質の高いダンスを披露。そのパフォーマンス力は、年々磨かれているから驚きだ。 そのパフォーマンスの中で、特に注目すべき今の魅力を紹介するならば、キャリアを重ねたからこそ出せる“魅せる”要素を第一に挙げたい。活動初期から『プリパラ』の時期に多かった、エネルギッシュできらめきあふれる楽曲のイメージが強いリスナーもいるかもしれないが、実は彼女たちの持ち歌の中にはスタイリッシュなダンスパフォーマンスで魅せる楽曲も年々増加してきている。近年発表した楽曲においてその魅力を最も強く感じさせるのは、昨年夏にリリースされた「Let you know!」だ。 TeddyLoidが提供したこの曲は、その“魅せる”という武器を前面に出す方向へと振り切り、挑発的なクセを効果的につけた歌唱や切れ味とパワフルさを兼ね備えたダンスパフォーマンスをもって、楽曲の持ち味を見事に表現。ライブでは披露のたびに観客を縦ノリさせ、魅了する存在となっている。
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