日大二が豊南に5-0で快勝で2次予選へ
第103回全国高校サッカー選手権東京予選の1次予選は9月15日、都内12会場で各ブロックの決勝28試合が行われた。16日に残り5試合が実施され、2次予選トーナメントに進む35校が出そろう。 【フォトギャラリー】日大二 vs 豊南 第8組は日大二が豊南に5-0で快勝。1回戦からの3試合を21得点・無失点で勝ち上がった。 4-4-2の日大二はマイボールにすると、切れ味抜群のカウンターから敵の急所を狙った。外にボールを集める展開が多く、サイドアタッカーが鋭い攻撃を仕掛けて豊南の守備をぐらつかせた。前半は左の益戸海、右の長田啓汰(ともに3年)の両MFが縦に速く運び、主将のFW有隅勇人(3年)がボールを預かってシュートを放った。 前半8分、益戸の蹴った右CKから長田が狙ったヘディングシュートは惜しくもGKの正面を突いたが、12分に決勝点となる先制ゴールが生まれた。FW足立健太郎(3年)が、ゴール前方の左へこぼれたボールを上手に押し込んだ。37分という絶好の時間帯には、左SB横井煌大(3年)の正確な左クロスを長田がヘディングで決め、前半のうちに貴重な追加点を挙げた。 1回戦が6-0、2回戦も4-0で勝ち進んだ豊南は4-2-3-1の陣形から、MF吉田龍ノ介(3年)が攻撃の陣頭指揮を執った。 吉田は前半6分、ゴール正面やや右の23メートル付近からFKを直接狙ったが、GKのパンチングに阻止された。アディショナルタイムには吉田が左から送った最終パスに右SB中山薫(2年)が右足で合わせたが、わずかにバーの上を通過し得点できなかった。 日大二は後半開始からMF野尻晴陽(2年)を投入。右2列目に入ると、力強いドリブルで敵陣に進出し、1対1の仕掛けに何度もチャンレンジ。抜群の推進力で攻撃のアクセントになった。 9分、その野尻が長い距離を運んだ後に球を預かった足立のシュートはバーを弾かれ、14分に左CKから放ったCB青木龍之介(2年)のヘッドは、DFにブロックされた。 しかし24分、野尻の右クロスから有隅を経由し最後は益戸が決めて3点目。野尻は37、39分の決定機を続けて外したが、アディショナルタイムに守備陣の裏へ抜け出して得点。続いてゴール前1メートルの大混戦からMF野本虹汰(3年)が押し込んで締めくくった。 後半の豊南は相手の厳しいプレスと守備ラインの冷静な対応に大苦戦し、決定的なシュートチャンスがなかった。28分に吉田が狙ったFKが、右ポストをたたいた1本くらいで無得点に終わった。 日大二の根岸克之監督は、「選手はこの試合に懸けていたので、立ち上がりは少し気持ちが入り過ぎていたようですが、先制したことで落ち着きました」と快勝に笑顔が絶えなかった。チームの特長は粘り強い守備からの速攻だが、「夏休みの合宿を通じ、誰が出ても見劣りしないチーム力になりました」と目を細める。 質の高いキック力を見せた益戸がこう付け加える。「1年から3年まで仲が良く、全員がチームのために走り切れるんです。次はベスト16以上を狙いたい」と話した。 前回大会は、1次トーナメント2回戦で足立学園に0-1と惜敗。根岸監督は「主力の半数が新型コロナウイルスに感染して出場できなかった。その分、今年のチームは新人戦を皮切りに関東とインターハイ、選手権の予選ですべて都大会出場を達成できました。初めての経験です。2次予選でも格上に必死に食らい付いていきたい」と就任10年目の節目に強い決意をにじませた。 主将の有隅は「インターハイ予選ではベスト16を懸けた戦いで都立石神井に負けたので、また対戦してリベンジしたい。チームの武器である堅守から縦に速いサッカーで勝ち進みたいですね」と意欲を示した。 (文・写真=河野正)