「チームラボ 幽谷隠田跡」(茨城・五浦)がオープン。棚田跡が作品になった、夜の森のミュージアム
チームラボの新スポットが岡倉天心ゆかりの地、茨城県北茨城市五浦に誕生
東京・麻布台ヒルズの「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」をはじめ、国内外の各所で最新のテクノロージーを活用した光と音によるインタラクティブな展示を行ってきたチームラボ。これまでも「Digitized Nature」と名付けられた、「自然が自然のままアートになる」プロジェクトを展開してきた。 福島県との県境にもほど近い県北エリアに位置する五浦は、岡倉天心が晩年を過ごした地としても知られる。常設となる夜の森のミュージアム「チームラボ 幽谷隠田跡」では、森の奥にある棚田跡を作品空間へと変化させた。ミュージアムと一体となって宿泊できる、源泉掛け流し&グランピング施設「五浦 幽谷隠田跡温泉」も同時に開業している。 10月8日から新たに2作品が公開されるのに先駆けて行われたプレス内覧会の様子とあわせて、「チームラボ 幽谷隠田跡」の見どころをお届けする。
「そこはまるで森に隠された秘密の棚田のようでした」
内覧会に出席したチームラボ代表・猪子寿之は、「Digitized Nature」プロジェクトについて、「人は長い時間の存在を認知できないと思っています。ただ、長く連続してきたものそのものを使うことで、そのような時間の連続性に対する認知を超えていけるのではないかと思い、長く時間を持つものをそのまま作品にしていくようなプロジェクトをやっています」と説明。 さらに「チームラボ 幽谷隠田跡」の構想を振り返り、「初めてこの五浦海岸沿いの森に来たときは人が入るのも困難なような森で、草を刈りながら入っていきました。森の奥まで行くと葦に覆われた湿地帯があって、そこはまるで森に隠された秘密の棚田のようでした」とこの地の森に魅せられた理由を明かす。 「そこで自然と人の営みが連続する長い時間に思いを馳せながら、その場所を作品にしようと思いました。そして森に入って植生を調査し、棚田を覆う森そのものを作品空間に、ある種の“森のミュージアム”にしようと思って作りました」「ここでの体験が皆様にとって何かほんの少しでも意味があるような体験になったら良いと思っています」と呼びかけた。