なぜ人間関係で「悩む人」と「悩まない人」がいるのか…精神科医が「これを知れば悩まずに済む」と説く3分類
なぜ私たちは人間関係に悩むのか。精神科医の西脇俊二さんは「人によって『自己重要感』を満たすポイントは異なる。そうしたタイプの違いを知っていれば、他人を恨んだり、自分を責めたりすることは避けられる」という――。(第2回) 【図表】「リスク型」と「ホープ型」 ※本稿は、西脇俊二『繊細な人をラクにする「悩み時間」の減らし方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。 ■人間の個性は「3つのタイプ」に分けられる 精神科医として多くの方に知っていただきたい知識に、基本的な「人の3タイプ」があります。私が長年役立てているタイプ分類です。人間の個性は、①パーソナリティ重視タイプ、②パフォーマンス重視タイプ、③ブランド重視タイプに大別できます。 タイプ分類を知っておくメリットは、「相手の自己重要感を満たしやすくなる」ことです。 自己重要感は、人に必要とされたり、頼られたり、共感されたり、承認されたりといった経験によって高まります。人は基本的に、自分の自己重要感を満たしてくれる人を大切にし、その人の意見やお願いを聞いてくれやすくなります。 以下、三つのタイプの人物像と、自己重要感を満たす方法を紹介します。 ---------- ①パーソナリティ重視タイプ ・人と接するときは人柄重視、物を選ぶときは品質重視 ・信頼や愛情など、「目に見えないもの」に価値を置く ・穏やかな物腰の、気配りの人 ・ただし、信念に反することは断固受け入れない 〈自己重要感を満たすには〉 ・人柄を褒める、気配りに感謝する ・話を聞き、共感し、理解者になる ・誠実さと温厚さを前面に出す ・裏表のある人を嫌うので、ほかの人々にも誠実に接する ②パフォーマンス重視タイプ ・最短で最大の成果を目指す ・成績や実績、財産など「目に見えるもの」に価値を置く ・「自分への投資」に熱心 ・明確で無駄のない話し方をする。ときに辛辣になることも 〈自己重要感を満たすには〉 ・相手と同じく、なるべく無駄なくテキパキと話す ・「デキる人」であることを褒める ・空虚なお世辞は逆効果。成果を出したときにその事実を端的に評価するのがコツ ③ブランド重視タイプ ・権威、権力、地位などに価値を置く ・自由にふるまえることが幸せの源 ・身振り手振りが大きく、エネルギッシュで行動力がある ・人に仕切られたり、コントロールされたりするのは嫌い 〈自己重要感を満たすには〉 ・「すごい」「素敵」といった派手な言葉で褒める ・人前で褒めると効果倍増 ・「さすが○○さん、ちょっと違うね」など、「あなたは特別」と感じさせる ・接している間は、相手のペースに合わせる ---------- 以上を踏まえ、まずは身近な人から、相手が喜ぶ接し方を実践してみてください。