関西経済同友会の次期代表幹事に三笠・日本生命副社長
関西経済同友会は11日、日本生命保険の三笠裕司副社長(61)が次期代表幹事に就任する人事を発表した。パナソニックホールディングスの宮部義幸副社長(67)の後任となる。2025年大阪・関西万博の成果を、関西経済の成長につなげることなどが課題となる。
三笠氏は同日、大阪市内で記者会見し、「自由な議論を大事にし、万博をはじめとする課題に全力で取り組む」と意気込みを示した。
任期は25年5月から1年だが、慣例で2年務める。代表幹事は2人制で、三笠氏は2年目に入る大林組の永井靖二副社長(66)と組む。日本生命出身者は20年5月から2年間務めた古市健氏(70)以来で、7人目となる。
三笠氏は同友会で教育問題委員長を務めている。活動に対する周囲の評価は高いといい、宮部氏は「求心力のある人材という意味で最適だ」と述べた。
同友会は独自の提言活動が持ち味で、これまでJR大阪駅北側の再開発区域「うめきた2期」の緑化など実現に結びついたものも多い。三笠氏には万博のレガシー(遺産)活用などで、実効性のある提言に向けたリーダーシップが求められる。
座右の銘は「無為自然」…万博成功へ気負わず「レガシーを次世代に」
早くから宮部義幸代表幹事の後任の「大本命」と目されていたが、宮部氏から打診を受けたのは最近だという。2022年から副社長として大阪市の本店を管轄しており、「関西経済のために尽くすというスタンスだ。声かけはうれしかった」と語る。
日本生命保険では、経営戦略の立案などを担う企画部門が長い。社内では「思考が論理的」(幹部)と評され、2015年の三井生命保険(現大樹生命保険)との経営統合では主導的な役割を果たした。
現在は大阪・関西万博を担当する部署を率いており、成功に向けた思いは強い。「一過性のイベントに終わらせず、地域の成長に結びつけられるようレガシーを次世代に引き継ぎたい」と力を込める。
座右の銘は「無為自然」。万博会期中の財界団体トップ就任という重責にも自然体で臨む。(畑中俊)
経歴
◆みかさ・ゆうじ 86年京大法卒、日本生命保険入社。22年3月から副社長。大阪府出身。