杏 主演 子を守る母親の強烈な愛と嘘の物語 『かくしごと』
ニッポン放送「ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町」(日曜朝5時~)で、おススメの最新映画をご紹介しているコーナー『サンデー早起キネマ』。6月2日は、名優たちの演技が光る“日本の今”を切り取った作品を3本をご紹介しました。 その1本は、杏さん主演。子を守る母親の強烈な愛と嘘の物語『かくしごと』。
原作は「ミステリー作家が描く感動小説」として評価も高い、北國浩二さんの「噓」。『生きてるだけで、愛。』の関根光才監督、待望の長編第二作は、虐待や介護など現代社会の課題とエンターテインメント性をミックスし、美しい映像で紡ぎだしています。
絵本作家の千紗子は、長年絶縁状態にあった父・孝蔵が認知症を発症したため、田舎に戻ってしぶしぶ介護をはじめることになりました。 他人のような父親との同居に辟易する日々を送っていたある日、事故で記憶を失ってしまった少年を助けた千紗子は、彼の身体に虐待の痕を見つけます。
少年を守るため、千紗子は「あなたの名前は拓未。私が母親だ」と嘘をつき、一緒に暮らし始めることに。次第に心を通わせ、新しい家族のかたちを育んでいく三人。 しかしその幸せな生活は長くは続きませんでした―。 許されないとわかっていても、なぜ彼女は嘘をついてまで拓未を守ろうとしたのか。なぜ、拓未は彼女を母親として受け入れられたのか。それぞれが持つ<かくしごと>が明らかになったとき、彼女は本当の意味で“母親”になるのです。
千紗子を演じたのは、杏さん。俳優、モデル、そして母親でもある彼女は「今の自分だからこそ演じることができる」と、その深い母性を、芝居を超えて体現しました。 父・孝蔵役には、奥田瑛二さん。認知症で日に日に別人のように衰えてゆく姿に圧倒されます。 虐待を受けている少年・拓未には、中須翔真さん。ピュアな子供らしさと聡明さ、心に秘めた影を見事に演じ、名優たちに負けない存在感でした。 さらに佐津川愛美さん、酒向芳さん、安藤政信さんといった実力派俳優が脇を固めます。