【大学野球】長打も秘めた好打者の明大・榊原七斗 守備範囲の広い俊足外野手で攻守で期待される逸材
先輩の背中を見て成長
【11月3日】東京六大学リーグ戦第8週 明大4-2法大(明大1勝) 1点勝負。集中力を研ぎ澄ませた打席だった。 明大は双方無得点で迎えた7回表一死二塁、七番・榊原七斗(2年・報徳学園高)の右中間三塁打で、待望の先制点を挙げている。次打者・宮田知弥(3年・横浜高)の右越え2ランで、リードを3点に広げた。法大は7回裏に1点差とするも、明大は9回表に直井宏路(4年・桐光学園高)適時打で加点し、4対2で先勝した。 明大は昨春以来のリーグ優勝へ、1敗もできない状況で、踏みとどまった。第8週の法大戦を連勝で勝ち点4として、第9週の早慶戦の結果待ちという状況にある。早大が慶大戦で1勝すれば早大優勝。早大が慶大戦で連敗すれば、明大と勝ち点と勝率で同率となり、優勝決定戦という星勘定である。 法大の先発・篠木健太郎(4年・木更津総合高)から適時打を放った榊原は振り返った。 「(2ボール2ストライクと)追い込まれてからの打撃。浮いた球をたたいて、間を抜こうと思いました」 この日は2安打。榊原は初めて規定打席に到達した1年秋の9安打を上回るシーズン11安打(打率.314)。打点は自身初の2ケタ(10打点)に乗せた。 「ゲームを重ねていく中で、自分の経験値が上がっている。上級生の後ろ姿を見て、意識が変わった」
先輩の背中を見て、育った。具体的に聞くと「(一番の)直井さん、(三番の)宗山さん(宗山塁、4年・広陵高)。左打者です。難しいコースでもファウルにして出塁率が高い。粘ってヒットにしている」と答えた。 2024年の明大は不動の一、二番コンビである直井、飯森太慈(4年・佼成学園高)がチャンスメークするのが攻撃パターンだった。最上級生2人が卒業する来春以降、榊原は「(上位打線を)打ちたい思いがある」と語った。今秋はリーグ戦初アーチを含む2本塁打。長打も秘めた好打者は、守備範囲の広い俊足外野手で、攻守で期待される逸材である。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール