松本サリン事件きょう30年 現場跡地の児童遊園に献花台 長野県松本市
平成6(1994)年6月27日深夜に長野県松本市北深志1の住宅街で発生し、死者8人、重軽傷者約600人の被害があったオウム真理教の松本サリン事件から27日で30年を迎える。市内では宗教団体による無差別テロ事件によって突然命を奪われた犠牲者を追悼し、事件の教訓を継承する動きが広がっている。 松本市城北地区の田町町会と新田町町会は26日、地元の北深志1で発生した松本サリン事件の犠牲者を悼む献花台を田町児童遊園に設置した。近隣の住民らが花を手向けて手を合わせ、二度と同じような事件が起きないことを願っていた。 田町児童遊園は住民1人が犠牲となった明治生命寮の跡地で、献花台は藤棚の下に設けられた。小さな花束を添えた北深志2の元報道関係者の男性(86)は「当時ここから100㍍ほどの場所に自宅があり、妻と子供3人がいた。風向きが違っていたらどうなっていたか」と振り返った。蟻ケ崎3から訪れた主婦(79)は「今でも事件現場の前を通ると思い出す。30年たったが風化させてはいけない」と話した。 一方、校外授業で児童約30人とたまたま立ち寄った市内の小学校の女性教師(48)は県外出身で「事件のニュースは見たが、現場や発生日は知らなかった」と話した。献花台の意味を報道陣に尋ねる児童の姿も見られた。 献花台は28日まで、午前9時から午後6時まで設置される。
市民タイムス