中村兄弟以来の快挙! 14分の激闘制した田中龍馬「自分の優勝もうれしいけど」【全日本選抜体重別柔道】
柔道のアブダビ世界選手権(5月)の日本代表選考会を兼ねた全日本選抜体重別選手権(全日本柔道連盟主催、西日本新聞社など共催)は6日、福岡市の福岡国際センターで開幕し、男子66キロ級は田中龍馬(SBC湘南美容クリニック)=佐賀市出身、同73キロ級は田中龍雅(筑波大)=同=が優勝を飾り兄弟で日本一に輝いた。兄弟での優勝は2000年の中村行成と中村兼三以来、24年ぶりとなった。 ■「レジェンドが渋滞です」野村忠宏さんら超豪華4ショット【写真】 誇らしげに肩を組んで歓喜を分かち合った。田中龍馬と龍雅の兄弟が、地元・九州の大舞台でそろって頂点に立った。22歳の兄・龍馬は「自分の優勝もうれしいけど、兄弟での優勝が素直にうれしい」と目を細めた。 先陣を切ったのは66キロ級の龍馬だ。佐賀商高時代から対戦経験のある1学年下の光岡(明大、大牟田高出身)との決勝は延長も含め14分以上の大接戦となった。「長い試合になったけど、会場からの声援のおかげで勝てた」。観客席の母校の後輩らに後押しされ、粘り勝ちした。 優勝を決めると、その後は73キロ級の龍雅の決勝にくぎ付けとなった。兄の視線を受けた龍雅は開始1分過ぎに隅返しから技ありを奪うと、ペースを握って終盤にも技ありを奪い、合わせ技で一本勝ち。「自信を持って、試合を進めることができた」とうなずいた。 龍雅は兄の背中を追うように柔道を始め、ともに佐賀商高で腕を磨いた。兄が筑波大4年だった昨年度は同じ大学で時間を過ごし、一緒に乱取りを行い、助言を受けた。 龍馬は昨秋の杭州アジア大会で優勝するなど、着実に実績を重ねる。現在の66キロ級はパリ五輪代表の阿部一二三(パーク24)が群を抜く存在だ。「この優勝がスタートラインになった。弟の目標になれる選手でありたい」。目指すのは兄弟でのロス五輪出場。夢への第一歩をそろって踏み出した。(松田達也)
西日本新聞社