江東区で記者が目撃した「選挙妨害騒ぎ」の阿鼻叫喚 江戸情緒残る下町は地獄絵図と化していた
記者の傍らにいた地元民とみられる男性がつぶやいた。「ずっと、この繰り返し。全然話が聞けねえよ。いい加減にしてほしい」。 記者が目撃した、約50分にわたる突然の他陣営への乱入。今回は飯山氏が演説中などではなかったため、直接的な「選挙妨害」には当たらないかもしれない。ただ、陣営が大混乱し、予定していた選挙活動に支障が出た可能性は高いだろう。 飯山氏の事務所にはこんな貼り紙もあった。「今のところ決まった場所、時間での公開街宣はありません」。乱入行為を恐れて候補者が自身の活動をアピールできなかったのであれば、純粋に候補者の主張を聞きたいと思う有権者の機会が奪われたともいえる。
「妨害」は、候補者の体調にも影響した。日本保守党は、飯山氏が選挙期間中に不眠や耳鳴りに悩まされるようになり、専門医から「加療が必要」と判断されたと明らかにしている。 投開票の結果、根本氏の得票数は1110票(投票数の0.6%)にとどまり、候補者9人の中では最下位だった。 その一方、根本氏は自身のXで、「この腐敗し切った政治を変えるには、やはりこの方法を継続するしかない」と投稿し、今後も同様の選挙活動を行うと表明。「今の日本人はこの状況でもまだ平和ボケしてるので票に表れていませんが、継続して目立ち続けることで必ず票につながるようになると確信しています」と発信した。
■公選法の見直しに向けた議論も? 次期衆院選の前哨戦として、全国的に注目度が高かった今回の選挙では、多くの著名人が立候補し、東京都の小池知事や大阪府の吉村洋文知事といった有名政治家が何度も現地入りした。社会的知名度が低いつばさの党は、大勢の有権者が集まってくる他陣営に乗り込み、自分自身が目立つことによって、聴衆に存在をアピールすることが主目的だったのかもしれない。 ただ、実質的に有権者が候補者の演説に耳を傾ける機会を奪う手法に対する批判は大きい。