2024年、日本の地経学環境の新たな変化:経済は「力に基づく国際秩序」に覆われるか
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2024年は歴史的に見ても面白いくらい、大きな選挙のある年となる。1月13日の台湾総統選挙と議会選挙はもちろんのこと、11月5日のアメリカ大統領選挙と連邦議会選挙は、世界秩序を揺るがす可能性のある選挙である。その他にも、欧州各国で台頭する極右ポピュリスト政党が参加する欧州議会選挙(6月6日~9日)があり、その選挙結果次第では、2期目を目指すとの見方が強いウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長(現任期は10月31日まで)が交代することも考えられる。 4月か5月にはインドの総選挙が予定されており、ナレンドラ・モディ首相率いるインド人民党(BJP)が勝つと見込まれているが、BJPが野党の選挙を妨害するような政策をとる可能性もあり、インドの民主主義のあり方を問う選挙となるだろう。ロシアの大統領選も3月17日に予定されているが、 ウラジーミル・プーチン大統領 の再選はほぼ確実だとしても、どの程度の投票率となるのか、また選挙不正をめぐる抗議が起こるのかどうかといった点に注目が集まるだろう。また、日本やイギリスでは年内の選挙は予定されてはいないが、政治状況次第では解散総選挙ということもありうる。 このように、重要な選挙が控える中、2024年はどのような地経学――すなわち地理的に規定された国際関係における経済的な側面――がどのように変化していくのかについて論じてみたい。
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鈴木一人