ノロウイルスに要注意!年末年始の忘新年会シーズン ウイルス変異が速く、新しい遺伝子型のウイルス出現の可能性も
ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎が、今年も冬の到来とともに急増している。厚生労働省によるとノロウイルスは11月頃から2月にかけて流行のピークを迎え、特に乳幼児や高齢者を中心に猛威を振るうという。2024年12月、長崎市内のホテルでの集団食中毒も発生しており、社会的な警戒が必要な状況だ。 【画像】感染対策のポイントは「加熱」すること、そして…
冬本番、猛威を振るうノロウイルス!少量で感染、症状は24時間後に
ノロウイルスは非常に感染力が強く、わずか10~100個のウイルス粒子で感染する可能性がある。感染から発症までの潜伏期間は24~48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、微熱などだ。健康な人であれば1~2日で回復することが多いが、乳幼児や高齢者では重症化のリスクがある。ノロウイルスの感染経路は多岐にわたる。 汚染された食品や水を摂取する経口感染のほか、感染者の便や吐物から人の手などを介した二次感染、飛沫感染なども確認されている。特に注意が必要なのは、感染した食品取扱者を介して汚染された食品による食中毒だ。最近では、この経路による大規模な食中毒事例が増加傾向にあるという。
予防の鍵は「手洗い」と「加熱」
ノロウイルス対策の基本は、徹底した手洗いと食品の十分な加熱だ。厚生労働省は、食事の前やトイレの後、調理前後には必ず石けんを使用し、ブラシなどを使って丁寧に手を洗うよう呼びかけている。また、二枚貝などの食品は中心部が85℃~90℃で90秒以上加熱することが推奨されている。 保育園や学校、高齢者施設などでは、ノロウイルスの集団感染リスクが高まる。これらの施設では、日常的な衛生管理に加え、感染者が発生した場合の迅速な対応が求められる。具体的には、吐物やふん便の適切な処理、環境の消毒、リネン類の洗濯などが重要だ。消毒には次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水が効果的とされている。 ノロウイルスによる食中毒を防ぐためには、食品取扱者の健康管理が極めて重要だ。下痢やおう吐等の症状がある場合は、食品を直接取り扱う作業に従事させないことが推奨されている。また、症状が改善した後も、1週間程度はウイルスの排出が続く可能性があるため、直接食品を扱う作業は控えるべきだ。