81歳現役医師“元気の秘訣”は運動とスープにあり 75歳を過ぎ感じた「衰えと不調」 克服するためのヒント
肝心の効果はというと、しばらく飲み続けてみたところ、血圧は見事に正常値になりました。複数の野菜から溶け出たファイトケミカルによる抗酸化作用はもちろん、塩分を使わないスープを飲み続けることによって、味覚が薄味に変わり、食事全体から摂取する塩分がへって自然に減塩ができたのでしょう。 おいしくて手軽に作れ、効果もあるので続けやすく、毎日、欠かさず飲んでいます。あきない工夫として、基本の野菜スープをベースに、ときどき牛乳を加えてミルクスープのようにしたり、りんごを加えて甘みを出したりしてアレンジすることもあります。
また、鶏肉などたんぱく質を加えたりしてもいいでしょう。一度にたくさん作って冷蔵庫で保存し、2~3日で飲み切るようにしています。これからもずっと続けていきたい習慣です。 ■気をつけたい高齢者の低栄養 昨今問題になっているのが、高齢者の低栄養です。年をとると、肉や脂っこいものを避け、食事の傾向もあっさりしたものになりがちです。でも、低カロリー、低脂肪の粗食を続けていると、低栄養に陥りやすくなります。高齢者こそ、肉や魚などの動物性たんぱく質を積極的にとりましょう。
低栄養とは、摂取エネルギーが少なく、筋肉や皮膚、体の組織の材料となるたんぱく質やビタミンが不足している状態をいいます。 厚生労働省のデータによると、65歳以上の高齢者のうち、女性の約21%、男性の約12%が低栄養傾向にあり、85歳以上になると、女性は約28%、男性は約17%とその傾向が強まります(令和元年国民健康・栄養調査結果の概要)。 低栄養への対策として、まず意識するべきは、たんぱく質を積極的にとることです。
理想的には、1食当たり20g程度のたんぱく質を摂取すること。この場合、肉や魚がちょうど手のひらにのるくらいの量が目安になります。 また、やわらかいものや飲み込みやすいものばかり食べていると、飲み込む力が弱って栄養が偏り、食べる楽しみがへってしまうので、適度に硬い肉や魚をきちんとかんで食べるようにしたいもの。 ■毎日の牛乳と肉や魚をモリモリ 肉や魚、大豆、卵などのたんぱく質を毎食とり、オリーブオイルやえごま油などの良質の油を摂取するようにするといいでしょう。