”腐敗”しきった「上層部絶対主義」の姿はほとんど「忠犬」!…「上におもねり、部下に強権を振るう」地裁所長の衝撃の姿
「裁判官」という言葉からどんなイメージを思い浮かべるだろうか? ごく普通の市民であれば、少し冷たいけれども公正、中立、誠実で、優秀な人々を想起し、またそのような裁判官によって行われる裁判についても、信頼できると考えているのではないだろうか。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 残念ながら、日本の裁判官、少なくともその多数派はそのような人々ではない。彼らの関心は、端的にいえば「事件処理」に尽きている。とにかく、早く、そつなく、事件を「処理」しさえすればそれでよい。庶民のどうでもいいような紛争などは淡々と処理するに越したことはなく、多少の冤罪事件など特に気にしない。それよりも権力や政治家、大企業等の意向に沿った秩序維持、社会防衛のほうが大切なのだ。 裁判官を33年間務め、多数の著書をもつ大学教授として法学の権威でもある瀬木氏が初めて社会に衝撃を与えた名著『絶望の裁判所』 (講談社現代新書)から、「民を愚かに保ち続け、支配し続ける」ことに固執する日本の裁判所の恐ろしい実態をお届けしていこう。 『絶望の裁判所』 連載第27回 『日本の裁判所が「正義」よりも大事にしているもの…「靴ナメ」さえも可能にする“ピラミッド型ヒエラルキー”の実態!』より続く
地家裁所長の地位
ここで、地家裁所長の地位について触れておくと、それは、非常に微妙なものであって、実質的にも比較的大きな発言権をもつ高裁長官とは全く異なる。 確かに、地家裁所長の裁判官や職員に対する影響力は大きく、彼らに対する姿勢も権力者的、権威的であることは、大学の学部長の比ではない。そのような意味でいうなら、大学の総長、学長と教授、准教授以上の大きな上下差の感覚が、地家裁所長と普通の判事、判事補との間にはあるといってよいだろう。 しかし、所長の権限は、実際には、裁判官や職員の評価に関する側面を除けば、ごく限られたものである。最高裁判所事務総局やその下にある高裁事務局(高裁事務局長は前記のとおり地裁裁判長クラスの裁判官であり、事務総局の課長たちと並んで、司法行政の一つの要である)の意見、ことに前者は絶対であり、第17回で2人の東京地裁所長代行判事の対照的な人事について記したとおり、現在では、所長や所長代行時代に事務総局に対して言うべきだと思うことをきちんと言っていたら、まず、その人のその後の人事はよい方向へは向かわないといって間違いはないと思う。 日本を震撼させた衝撃の名著『絶望の裁判所』から10年。元エリート判事にして法学の権威として知られる瀬木比呂志氏の新作、『現代日本人の法意識』が刊行されます。 「同性婚は認められるべきか?」「共同親権は適切か?」「冤罪を生み続ける『人質司法』はこのままでよいのか?」「死刑制度は許されるのか?」「なぜ、日本の政治制度はこんなにもひどいままなのか?」「なぜ、日本は長期の停滞と混迷から抜け出せないのか?」 これら難問を解き明かす共通の「鍵」は、日本人が意識していない自らの「法意識」にあります。法と社会、理論と実務を知り尽くした瀬木氏が日本人の深層心理に迫ります。
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