W杯最終予選の理想的組合わせ/六川亨の日本サッカー見聞録
FIFAは昨日20日、北中米W杯アジア最終予選の組合せのポット分けを発表した。予選はFIFAランクの上位3チームずつを同じポットに分けて3チームによる6グループを作成。3つのグループの2位までが自動的にW杯の出場権を獲得する。 【写真】「マジならめっちゃ良い」「嘘だろ?」リークされた日本代表ユニフォームは賛否両論! 日本はFIFAランクでアジア最上位の17位。これに続くのが20位のイランと22位の韓国で以下のポット分けは次の通りだ(内はFIFAランク)。 ポット1:日本(17)、イラン(20)、韓国(22) ポット2:オーストラリア(23)、カタール(35)、イラク(55) ポット3:サウジアラビア(56)、ウズベキスタン(62)、ヨルダン(68) ポット4:UAE(69)、オマーン(76)、バーレーン(81) ポット5:中国(88)、パレスチナ(95)、キルギス(101) ポット6:北朝鮮(110)、インドネシア(134)、クウェート(137) 日本がW杯最終予選で韓国と対戦したのは、東西アジアの予選を勝ち抜いた国がセントラル方式で戦った94年アメリカW杯予選と、2グループに分かれて戦った98年フランスW杯予選が最後だった。その後はFIFAランクによるグループ分けで別グループとなり、イランと最終予選で戦ったのも06年ドイツW杯が最後である。 ここで気になるのは、27日の抽選会でどの国と戦うことになるかということ。各ポットから過去の対戦相手を調べてみると、ポット2ではオーストラリアと3大会連続して最終予選で戦っている。この“相性の良さ”は偶然なのだろうか。さらに今年1月のアジアカップで苦杯を喫したイラクとはロシアW杯とブラジルW杯の最終予選で同居している。カタールとは南アW杯予選での対戦だけなので、やはりオーストラリアかイラクと同じグループになるのだろうか。 第3ポットでは、サウジアラビアとはカタールとロシアの直近2大会のW杯予選で同じグループで戦い、前回大会は初戦で敗れたことも記憶に新しいだろう。ヨルダンとはブラジルW杯の最終予選で対戦し、アウェーで0-1と敗れた。2次予選ではサウジアラビアを得失点差で上回って1位通過。今年のアジアカップでもFWアルマタリを擁して決勝に進出しただけに、侮れない存在である。ウズベキスタンとはフランスW杯と南アW杯以来となる対戦だが、近年はアンダー世代の強化に力を入れているだけに、不気味な存在と言っていい。 こうしてみると、ポット1から3までは実力的にほとんど差がないと言っても過言ではないだろう。いずれも気の抜けない相手ばかりだ。 ポット4ではオマーンとカタールW杯とブラジルW杯の予選で2回対戦しているし、UAEとはロシアWとフランスW杯の予選で対戦した。バーレーンとは南アW杯予選の1回だけだ。3か国とも中東だけに、アウェーの試合の開催時期、暑熱対策が重要なポイントになる。 ポット5で対戦があるのは前回カタール大会の中国だけ。同じくポット6も最終予選ではドイツWで戦った北朝鮮だけである。 こうした過去の対戦から、日本にとって望ましい組合せはポット2が手の内が分かっているオーストラリア、ポット3がサウジアラビアといったところ。ポット4は身体能力の高いバーレーンよりはUAEの方が相性もいいかもしれない。 ポット5と6は、地理的な兼ね合いから中国と北朝鮮になる可能性もあるだろう。そこには政治的な配慮が働くこともありえる。その予想の結果、 日本、オーストラリア、サウジアラビア、UAE、中国、北朝鮮という組合せになる。これなら、そう悪い組合せでもないのではないか。北朝鮮とのアウェーゲームが開催可能かどうか不透明だが、少なくとも自国でのホームゲーム開催に不安のつきまとう中東のイラク、ヨルダン、バーレーン、パレスチナ、クウェートは避けたいものである。果たして27日の抽選の結果はどうなるか。取材、応援のスケジュールに頭を痛めるのもW杯予選の楽しみではないだろうか。 【文・六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカな
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