大冠高の生徒らを指導するイチロー氏＝10日、大阪府高槻市（代表撮影）

日米通算4367安打を記録したイチロー氏（51）＝マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター＝が10日、2017年夏の大阪大会準優勝校の大冠高で2日間の臨時指導を終えた。同氏が高校球児を指導するのは2020年の智弁和歌山に始まり9校目。 【写真】大冠高野球部の指導を前に、お好み焼きを作るイチロー氏「ひっくり返すタイミングはセンシティブなんだ」 大阪では1990年の渋谷以来となる公立校の夏の甲子園出場を目指す東山宏司監督（62）から指導を熱望する手紙が届き、イチロー氏は訪問を決意。大阪桐蔭、履正社の私学2強時代が続く中、部員との初顔合わせでは覚悟を問う意味で「その相手がどう思っているか考えてほしいんだよね。恐らく、眼中にないです。意識もしていない。そこに挑むんだよ。初めましてで、ここまで厳しいことを言うのは初めてです」とあいさつした。 昼食に選手の保護者がグラウンド脇でお好み焼きを焼いていると、生徒のリクエストに応えて自らコテを手に「久しぶりだからな。ひっくり返すタイミングはセンシティブなんだ」と見事に焼き上げた。 最後には「毎日、自分の限界を超えることは難しいことだが、それを積み重ねれば、来年の夏を迎えたときのみんなは選手としても人としても全然違う」とエールを送り、「しっかり見ておくから」といつもの決めゼリフで締めた。（東山貴実）