ケンタッキー、新アプリの「歴史的改悪」が占う未来コロナ禍以降、業績は順調だがDX面で「新たな課題」が
これは2023年4月から2024年3月までを指すため、さきほど紹介したアプリの不具合は範囲に入っていない。そこで、さきほど説明したアプリの向上は繰り返さないが、その他にもいくつかの課題が待ち構えている。 ・現時点でも日本ではまだ実質賃金がマイナスのまま続いている。これまでKFCは強気の値上げを重ねてきたものの、消費者は節約志向をむしろ強めている。このなかで消費者に訴求性を保ち続けることができるか
・原材料・エネルギーや食品の価格が読めない、あるいは高止まりのなかで、これ以上の価格転嫁ができるか。また地政学的なリスクによって物流の停滞やさらにコストの上昇がありえる。さらに昨今では国内で人手不足が続いている ・チキンフィレの特別商品やクリスマスなどハレの日へのご褒美としてこれまで需要を創出してきた。しかし、他のイベントも復活するなかで、どれだけ需要を創出し続けられるか もちろん、その他、健康志向の高まりのなかでファストフードチェーンとしてどのように対応していくか、などさまざまな課題を提示することはできるだろう。
KFCは、コロナ禍以降のファストフード店の行方を占い、さらにDX(アプリによる顧客体験)をいかにオペレーションしていかねばならないかを象徴しているように思われるのだ。
坂口 孝則 :調達・購買業務コンサルタント、講演家