高校3年生SSW・wataが語る上京前の決意、ロックとヒップホップ、格闘技からの影響
ミュージシャンになる決意とともに完成した「After 17」
―最新曲の「After 17」はこれまでの恋愛ソングと比べて、音楽活動への力強い宣言をするための曲に聞こえたんですが、どんな思いがあったでしょう? wata:その通りですね。中学3年生から曲作りを始めてずっと同じ環境で曲を作ってきたんですが、高校卒業後の上京を控えているので新しい環境をどんどん意識するようになってきたんです。一年前くらい、17歳になるタイミングで「After 17」のひとつ前のバージョンを作って。僕の高校って結構進路にうるさくて、そういうことを思いながら最初は作りました。その後ら後半部分を中心に歌詞を変えて完成させたんですけど。前のバージョンは上京して音楽をやることに対して割と不安があって「まだ決めきれてない」っていう感じだったんですが、完成した曲は決意になっていますね。 ―決意できたのは何が大きかったんですか? wata:「そもそもミュージシャンになるために頑張ってみよう」って思った経緯としては、高校1年で「Flash Night」をリリースして、ジャンル別のチャートに入ることができて。その後、地元でライブする機会がなかったので自分で企画して、だんだん動員数が増えていく中で、そういう気持ちが強くなっていきました。でもまだ不安はあって。「After 17」で自分のルーツとなってるロックとヒップホップを良い感じで混ぜ合わせることができて自分のやりたい音楽ができるようになってきたことと、今年の5月に今のレーベルの方に声をかけてもらったことで自信を強く持てたことが大きかったです。 ―自主企画の動員数が300人っていうのはすごいですよね。 wata:そうですね。元々山梨には未成年が参加できるヒップホップイベントがほぼなかったので自分が先頭に立って始めたんですが、県外からもゲストを呼んでました。 ―「After 17」のようなサウンドデザインの曲を前からやってみたかったという。 wata:そうですね。ギターが印象的なロックな曲にうまくヒップホップの要素を入れたかったんですが、なかなかうまくいかなくて。それまではずっと独学だったんですが、レーベルの方にアドバイスをもらったことで作れました。 ―wataさんがフェイバリットに挙げてるSATOHにも通じるサウンドデザインですよね。 wata:そうですね。SATOHはめちゃくちゃ好きでライブにも行ってます。こんなにうまくヒップホップとロックを融合させられて、しかもメジャーデビューしてるのがすごいなと思いました。単純に曲がすごく好きです。 ―「After 17」に「今だって悩むことばっかりだし 強がって自分を作ることばかり 弱い所も愛せる それが本当の強さだと気づけたんだ」という歌詞がありますが、なぜ弱いところも愛せるようになったんですか? wata:高校生になって友達から恋愛の話以外の家庭の話とかを相談される機会が増えていって、「みんな悩みを抱えてるんだな」って思ったんですよね。僕は外から見ると家庭環境に悩みがなさそうに思われてて。でも自分ではやっぱり悩むことがあって、っていうことを曲にしたいと思ったんです。それで「俺も同じ夜を生きてるよ」ってフレーズがあったり。最後のブロックにも「見えてる空はきっと君と同じ」っていう歌詞があって。昔は格闘技をやってたこともあって強さを求めていたところがあったり、小中学生の時は強がって自分の弱さや悩みを人に言い辛くて。でも実際は僕も含めて悩んでる人も多いと思うので。そういう気持ちも込めた曲です。あと、今一緒にいる友達とも高校を卒業したら会う機会が減っちゃうと思うんですけど、環境が変わっても変わらない部分や変えたくない部分があるっていうことも込めました。 ―終盤の「もう俺だけのために歌ってないし」っていうラインにはどんな思いを込めたんですか? wata:初めて言うんですけど、小学校の頃から仲が良くてよくヒップホップのライブに一緒に行ったりラップを一緒にやっていた友達がいたんですが、高校2年生になったくらいの頃に病気で亡くなってしまって。その歌詞はその友達のことを思って書きました。これからもお互いずっと音楽をやっていくのかなって思ってて超大きい存在だったので。普通に友達としても仲良かったし。 ─いろいろな決意が込められているんですね。 wata:そうですね。