新天地で輝きを取り戻す、大倉颯太の強い思い(後編)「自分のできることを出していくことが、チームにとっても良いことに」
「自分のコンディションを良い状態にして、チームが勝つことだけを考えています」
――大倉選手は、2021年2月、2022年11月と2度にわたって膝の靱帯断裂という大ケガを負いました。ケガの影響はまだあるのか、どういう感触でしょう。 現在は本当に大丈夫です。昨シーズンの年明けに別のケガをしてしまい、そのせいで全体的に長引いているように見られている感じはあると思います。実際は昨シーズンもケガをする前まではすごく調子は良かったです。この小さいケガで3、4節離脱することがなければ……という思いはあります。でも今の膝の状態は良いので、あとはトレーニングをしっかりしていくだけです。 ――大学時代は東海大の中心選手として1年生の時から活躍し、2度のインカレ制覇に大きく貢献するなど世代の先頭を走ってきました。しかし、ケガも影響して自分が思うようにプレーできない中、河村勇輝選手など切磋琢磨していた仲間たちが代表で活躍しています。そこに対する悔しさ、もどかしさといった感情はありますか。 素直に彼らの活躍をうれしいという感情はあっても、悔しいという思いは特にないです。言い訳ではないですが、ケガをして本調子ではなかったことも理由としてあります。今は自分のコンディションを良い状態にして、チームが勝つことだけを考えていて、代表は優先事項に入っていないです。代表は評価してもらってのことなので、自分のことをしっかりやればいいという考えです。これはネガティブなことではなく、自分を信じてやるべきことをやっていれば、自然とそういうところにも繋がっていくと。今は代表とかを考える時ではないと思っています。 ――新戦力として、自分が突き上げてチーム内の競争を激しくしていき、活性化に繋げていきたいという考えはありますか。 競争とは捉えていないです。海ができなくて僕にできることがあったり、プレースタイルは少し違うと思っているので。自分のできることをどんどん出していくことが、僕にとってもチームにとって良いことなのかなと。もちろん試合には出たいですが、競争という意識は正直ないです。新加入なので早くチームに馴染まないといけない。9月末にある天皇杯から勝負は始まるので時間もありませんし、1日1日の練習にコミットする必要があります。いち早くコーチのバスケットに慣れて、信頼を勝ち取っていきたいです。