クルーズ船(豪華客船)の値段とは 費用を抑えるコツとおすすめのクルーズ船
憧れの「豪華客船」。近年では「クルーズ船」という言葉が普及し、いつか乗ってみたいと思う人が増えているそうです。 「そもそもクルーズ船の旅とは?」「値段に含まれるものは?」「自分に向く船を選ぶには?」この記事では、クルーズ船が気になる人に向けた内容を解説します。 筆者は日本のお客様と世界一周を8回してきました。クルーズの夢が叶うよう、みなさんのお手伝いをさせてください。
1.クルーズ船とは
1989年すなわち平成元年は、クルーズ元年ともいわれました。日本籍のクルーズ船が就航したり改装されたり、レジャーとしての船旅が注目された年です。 この頃は「豪華」という言葉が客船の枕詞として使われていました。まず豪華という意味、その判断や基準となるものを探ってみることにしましょう。 (1)豪華客船といわれる理由 筆者が最初に乗ったのはクイーンエリザベス2(QE2)でした。世界で最も有名といわれたクルーズ船です。あるお客様がこんなコメントをされました。「まるで竜宮城のようだわ」確かに。 多彩なグルメ、歌や踊りのショータイム、乗組員らの歓待を受けたら時がたつのも忘れてしまう……。違いといったら海中ではなく動く洋上ホテルという点です。 クルーズ船による旅行は、日本人にとって新しい旅のかたちとして紹介されました。飛行機や新幹線に乗って移動し、ホテルや旅館に泊まるわけではありません。ひとたび乗船すれば降りるまで移動は不要。クルーズ船を「我が家」のようにして旅ができるのです。 事前に払う料金には移動代、宿泊代、食事代、エンターテインメント代が含まれています。出航したら、デッキで朝のコーヒーを飲んだり、社交ダンス教室に参加したり、ディナーでフルコース料理も堪能できたりします。 寄港地に着いたら個人的に自由行動で観光もできます。これらが前払いの料金に含まれているのですから、かなりお得ではないでしょうか。これが「豪華」という言葉が使われ出したキッカケでは? と筆者は推察しています。 クルーズ元年の頃は約150隻のクルーズ船しか運航されていませんでした。しかし2025年には、370隻以上が世界中をクルーズする予定です。 令和の時代に入ったので「豪華」という言葉のニュアンスも変わってきたはず。また何を豪華と感じるかは、その人次第ともいえます。言葉にとらわれず、シンプルにクルーズ船を楽しむとよいでしょう。 (2)クルーズ船のカテゴリー クルーズ船の値段はカテゴリー(船内の雰囲気)と客室の2つのポイントで決まります。まずは、クルーズ船のカテゴリーをご紹介します。 飛行機の座席はたいてい3種類に分かれていますね。エコノミー、ビジネス、その中間にはプレミアムエコノミーがあるはずです。 クルーズ船も同様に呼んでいます。どの船がどのカテゴリーに入るのかは、客船ガイド本や旅行社等の解釈によって異なりますが、一例を挙げてみました。 ■カジュアル船 乗客数が2,500人以上にもなる大型船。施設が豊富でファミリー向き 例)MSCベリッシマ、ダイヤモンド・プリンセス ■プレミアム船 乗客数が751~2,500人の中型船。落ち着いた雰囲気。インクルーシブ(必要なものは料金込み) 例)バイキング・エデン、セレブリティ・ミレニアム ■ラグジュアリー船 乗客数が750人程度の小~中型船。上質なサービス。記念日などに最適 例)飛鳥Ⅱ、オイローパ2 値段は、カジュアル船<プレミアム船<ラグジュアリー船 と上昇していきます。 しかし昨今は少し変化も出てきました。大型カジュアル船に「ラグジュアリー客室」が出現したのです。MSCベリッシマが好例でしょう。専用レストラン(通常のドリンク込み)やプールがあり、バトラーサービスもついています。 要するに、大型船の施設やショータイムが楽しめ、同時に中型船のような贅沢さも味わえるという「いいとこ取り」というわけです。 (3)クルーズ船の客室キャビンの種類 3つに大別できます。内側の客室がより船底に近いですが、最も格安です。 ・内側の客室(窓なし) ・外側の客室(丸または角型の窓あり) ・バルコニー付きの客室 客室の大きさはさまざまです。カジュアル船の内側客室(2人部屋)では13㎡ぐらいから。ラグジュアリー船ではバルコニー付きで82㎡以上にもなり、なかには2階建てでミニグランドピアノを備えるスイート客室まであります。2人用の客室を一人で使用する場合は、ホテルと同様に追加料金です。