“出生時664g”小さくても焦らず…「リトルベビーハンドブック」 母親たちの声生かし「低出生体重児」のための母子手帳
■こども病院の医師と看護師が監修
不安や悩みを抱え、SNSなどで情報を探っていると、全国で「リトルベビーハンドブック」の導入が進んでいることを知ります。 長野県にはなかったためサークルを立ち上げ要望することにしたのです。 栗木沙織さん: 「母子手帳だと書けないこととか、手帳を開きたくない時もたくさんあるんですけど、その子のスピードに合わせた成長を記録して、よりどころみたいになってほしいな」
手帳は子どもの成長に、家族がどう関わればよいか、リトルベビーの親目線で作られています。 NICY(新生児集中治療室)での過ごし方をはじめ、低出生体重児によくある「鉄欠乏性貧血」や「便秘」の悩みへのアドバイスも。
監修したのは、こども病院の医師と看護師です。 県立こども病院 副院長・広間武彦医師: 「(ハンドブックがあれば)ご家族として過ごしていただく形で自信がつきますし、赤ちゃんが退院した後も、そこにつなげられる」
「成長の記録」は、栗木さんが要望したように体重0gからスタート。 「育児の記録」も指標はなく、成長に応じて書き込みます。
こども病院・深尾有紀 看護師長: 「母子手帳だとどうしても『何カ月目で何ができる』というような表現のされ方が多い。今回は『何カ月で何ができた』っていう形。正解があるわけではないので、そのお子さんにとっての初めて記念日が積み重なるといいな」
■小さく生まれても焦らず
先輩ママや小さく生まれた当事者からのメッセージも。 県立こども病院 副院長・広間武彦医師: 「家族にとって安心材料になる、大事な記録になる。そんな形になってほしいと思って作成。そもそも妊娠・出産・子育ては楽しいことですので」
栗木沙織さん: 「綿棒チューチューしたね」 高橋由里絵さん: 「母乳綿棒ね、懐かしい(笑)」 SNSを通じて栗木さんと出会った高橋さん。ハンドブックを広めつつ自身の経験も伝えて同じ境遇の家族の力になりたいと考えています。 ひめりんごの会・高橋由里絵さん: 「産科の主治医が『NICUにいる子たちは、かわいそうな姿じゃなくて頑張ってる姿なんですよ』って、それが今すごくわかって。経験だけで終わらせずに、私も生まれた息子も、この子たちも経験を伝えていくのが使命というと大きいですけど、そう思いながら過ごしています」
栗木さんはー ひめりんごの会・栗木沙織さん: 「とにかく大変だったんだよっていうのと、大変だけど、こんなに元気に大きく君はなったんだよと。(智也ちゃんには)もう大丈夫だよ、何かあっても乗り越えられるよって伝えたいですね」 小さく生まれても、焦らず、その子のペースで。 リトルベビーハンドブックは県内10カ所の周産期医療施設で配布しています。
長野放送