“出生時664g”小さくても焦らず…「リトルベビーハンドブック」 母親たちの声生かし「低出生体重児」のための母子手帳
「ながの リトルベビーハンドブック たいせつなきみ」。 2500g以下で生まれた「低出生体重児」のための手帳です。
県 保健疾病対策課・嶋田マユミさん: 「お母さんたちが不安だったり、落ち込んでしまったりする部分の精神的なフォローが目的。ゆっくりですが、必ず成長していくので、子どもの成長を実感できる手帳として使ってほしい」
■リトルベビーを育てた母親たちの声
県内の新生児は年間1万2000人余り。このうち低出生体重児は全体の約9%で、全国もほぼ同じ状況です。 高橋さんや栗木さんのケースのような1500g未満の「極低出生体重児」も一定数います。
手帳はこうした子どもを持つ親に配布され、従来の母子手帳に加え活用してもらいます。 中心になって要望してきた栗木さん。自身の経験が行動のきっかけでした。 栗木さんは30歳で第1子を妊娠しました。妊娠8カ月の時に切迫早産で入院。
羊水が少ないことがわかり、緊急帝王切開に。智矢ちゃんは31週で生まれたのです。 当時の母子手帳にはー。 (当時の母子手帳) 「すごく小さく生まれてきて、本当に不安だし産声がなくて怖かった。ごめんね。生まれてきてくれてありがとう。大変だけど、一緒に頑張って大きくなろうね」
最初の「授乳」は、母乳を含ませた綿棒で。毎日、母乳を届け、コロナ禍で面会が制限される中、成長を見守ってきました。 栗木沙織さん: 「自分が退院先にしちゃうのが、申し訳なくて、なんかちょっと悲しくて。最初の方は、なんかちょっとノイローゼ気味というか」
2カ月ほどで智矢ちゃんは2700グラムほどになり退院しましたが、その後も育児への不安は尽きませんでした。 母子手帳の成長の記録は、途中で止まってしまいます。
栗木沙織さん: 「体重も、(発育曲線の)範囲外から始まってるので、途中まで書いていたんですけど、なんかもういいやって、なっちゃって。『初めてお座りをした日は何月何日』みたいな記入欄があって、覚えてない。記録してあげられなかったなっていうのは(涙)」